世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ29)

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辻 632 ページ29

「皆、通信機は持ったね？じゃあ早速、作戦開始だ！
A！あとはよろしく！」

「はーいはい、大穴空けちゃうよ～」

と、皆チームを組み終え、通信機も配り終えた所でフェイはそう言うと、おもむろにAは黒い右手を掲げて目の前に聳え立つ壁に近付いた。

そうして彼女の右手が壁に触れると、そこを中心に壁に亀裂が入り、そうして音も無くｶﾞﾗｶﾞﾗと崩れ去る。

破片も当然、彼女の能力により〝破壊〟されているので文字通り跡形もなく無くなり、あっという間に人2人分並んで通れそうな穴が出来上がった。

「能力、ソウルの使用は一切禁ずる。
但し相手が異能を使用した場合は別とする。
特に井吹、剣城は人の目に注意する事。

作戦はさっき言った通り。
何かあったら必ず連絡する事。
戦闘になったら、なるべく街に被害は出さないように。

以上！作戦開始！」

最後に彼女が口早に今回の作戦と注意事項を纏め、GOサインを出すと、団員達が次々と彼女が空けた穴の中に入って行った。

そうしてあっという間に俺達3人だけが残され
俺達も大穴の中に入ると、一応彼女は壁を〝創造〟し穴を塞いでから、早速行動を開始した。

「とりあえず、何処から探そっかー…？
小説の通りだと、元々『イナズマカーニバル』の団員達は教会みたいな建物の地下を基地にしてたみたいだけど……」

「あっちだ！あっちになんか感じるぞ！」

「えっ？！ちょ、ちょっとトーブ？！」

そうして何処から探し始めようか、と話そうとしていたが、不意にトーブが何処かを指差しながら走り出してしまい、俺達は慌てて彼の後を追う事に。

何か感じる、って…彼は何か能力が備わっているのだろうか？

どちらにしろ、ソレは信じてもいいのだろうか？
それとも、本当に何か感じ取っているのだろうか？

疑心暗鬼になりながらも彼に着いて行くと、あっという間に街の裏道に辿り着く。

『レブォッシュロード』でもあった、薄暗い道だ。
表の道とは対照的に暗く、ｼﾞﾒｯとしていて、確かに嫌な感じはする。

ただ、その雰囲気は如何にも何かが潜んでいそうだ。

もしかしたらこの何処かに、10年前の円堂さんがいるかもしれない。