△リボンが96こ▽ ページ50
次の日、真名部はいつものように目が覚めたらほぼ0距離のAと目が合い、まだ慣れていない真名部は朝から心臓が飛び跳ねた。
その日のAは前の日の話もあってか妙にご機嫌で
語尾を弾ませながら挨拶をすると、真名部を起き上がらせて出掛ける支度をするよう促した。
ただ買い物に行くだけなのに…と真名部は早々に彼女のはしゃぎっぷりに溜息を吐きながら支度を進めていると、ふと真名部は彼女の服装が前と同じなのに気が付いた。
「…あの、アナタは新しい服、着ないんですか？」
「ん〜…？」
てっきりこの間購入したワンピースを着る物だと思っていたのだが、出掛ける服装は前と似たようなのだった。
きっとあの服も母親から拝借した物だろう。
Aは真名部の問いに一瞬こちらの方を向いただけで、答えてはくれなかった。
直後に真名部の真新しい服装に気が逸れて、その話はそこでお終いになった。
「お外ではじんくんって呼んだ方がいーんだよね？」
「え、ええ……なるべくソレでお願いします」
財布と家の鍵を持って再び外へと飛び出し、少し歩くとAが思い出したかのようにそう真名部に確認する。
不意に呼ばれたあだ名に真名部は驚きながらも頷くと、「わかった、じんくん！」と早速呼ばれて真名部は頬をほんのり赤く染めた。
前と同じ道を通り、着いたのは前と同じデパート。
相変わらず人は多く、真名部は思わず帽子の鍔に指を置いた。
服装も髪型も前よりは随分と変わり、溶け込んでいるとはおもうが、やはり顔を見られるのはまずいだろう。
やや顔を下に向ける事を心掛けようとしたが、Aがソレを許さなかった。
「…？じんくん、どうしたの？具合悪いの？」
「い、いえ！そういうわけでは」
「そーなの？ちゃんと前向かないとダメだよ！危ないからね」
俯いているように見えてAは心配してくれたんだろう。真名部の顔を覗き込んで心配そうに首を傾げた。
真名部は首を横に振ると、Aは真名部の頬を片手で包み込むように撫でてから「疲れたら言ってね」と笑う。
気を使われてる申し訳なさと、そもそも誰のせいでこんな事にと憤りが胸の奥でぶつかり、真名部はなんとも言えない表情をしながらも「わかりました…」と苦笑いを浮かべた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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