△リボンが51こ▽ ページ5
シャワーを借りて、真名部は身体を洗い終えると
早々に浴室から出て、着替えを始めた。
脱衣場にある洗濯機の上には彼女が言ったように大きめのバスタオルが置いてあった。
においも毛布の時と同じでほんのり柔軟剤の香りがしたので、きっとコレも母の物なのだろう。
ソレで身体を拭いて、元々着ていた制服に再び袖を通す。
4日も経っている上に汚部屋の臭いが移ってしまったようで、制服自体の臭いも酷かった。
これでは折角シャワーに入ったのに気分が台無しだ。
しかし今着るものと言ったらこれしか無い。
彼女の服を借りるのも手かもしれないが、女物の服を着る抵抗と、彼女の先程の口振りからまともな服が今彼女が着ているアレしかないのでは、という考えが脳裏を過ぎった。
「…………うっ」
バスタオルを肩にかけ、真名部は脱衣場を出る。
多少さっぱりはしたものの、部屋に戻るとまず鼻を突く悪臭。
4日間過ごし慣れてしまった臭いだと思ったが、シャワーを浴びた事でリセットされたようだ。
真名部は思わず鼻を摘んで顔を顰める。
そんな真名部にAは少し遅れて気付くと、また笑顔を浮かべて「おかえり、まなべ！」と駆け寄った。
「シャワー気持ち良かった？」
「は、はい…シャワー貸して頂きありがとうございます」
「ううん！いーのいーの！
まなべが喜んでくれれば、それでいーの！」
真名部の満更でもない反応にAは満足そうに1人頷くと、嬉しそうな笑みを浮かべる。
その時、真名部の頬が赤く染まっていたのは、きっとシャワーを浴びた直後だから、だけではないだろう。
「…あの、アナタもシャワー、浴びて来ては如何です？」
だがすぐ真名部は我に帰ると、彼女にはシャワーを浴びるよう勧めた。
単純にこういうのは順番に入って行くものだと思っていたのと、もしかしたら彼女はシャワーさえ好きに浴びれないのではと考えたら、当然の思考だった。
だがAはｷｮﾄﾝとした顔をした後、首を横に降って「大丈夫！」と笑った。
「まなべが寝たらシャワー浴びてるから大丈夫だよ！」
「えっ…？そうだったんですか？」
真名部はその事を知らなかったので素直に驚いた。
彼が寝ている間の事なので当然と言えば当然の事だが。
言われて見れば、彼女が鼻先が触れる程の近距離にいても、そこまで臭いが酷くなかった事に気付く。
きっと彼女が毎晩夜中にシャワーを浴びていたからだろう。
部屋は汚いが、彼女自身は綺麗好きのようだ。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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