△リボンが81こ▽ ページ35
「ただいまぁー！おかえりー！今帰ったよー！」
遅れてAも部屋に戻り、彼女は部屋に入って早々元気にそう言うと、何処か上機嫌に部屋に踏み入る。
しかし、ソファの上で疲れた様子の真名部を見つけて
彼の元へ駆け寄ると「大丈夫？」「疲れた？」「お昼寝する？」とソファの背もたれに掛かっていた毛布に手を掛けながらAは真名部の顔を覗き込んだ。
「ああ……はい、少し疲れましたね。
でもお昼寝は遠慮しておきます。先に服を仕舞わないと」
首を傾げるAに思わず笑みを浮かべながら、真名部はそう言うと身体を起こして持っていた荷物を再び持ち上げる。
だがその瞬間、ふと服の仕舞う場所が無い事に気付く。
いや、作ろうとすれば作れるんだろう。
そうなると一体何処に仕舞う事になるのか。
少なくともこの部屋は遠慮したかった。
何処に何があるのかわからない汚部屋で、臭いも酷い。
折角の新品の衣服にこの部屋の悪臭が付くのは避けたかった。
しかしこの部屋以外となると、他の部屋はどうなのだろう…？
バスルームは狭過ぎるし、かと言って玄関前に置くのもなんだか恥ずかしい。
あと考えられるのは……2階の部屋だろうか？
上の階は真名部は行った事が無いが、あと考えられる部屋はそれくらいだ。
「(……ああ、でもそういえば上の部屋って……)」
「お洋服仕舞うの？じゃあ、一緒にママの部屋に仕舞う？」
少し嫌な事を思い出しそうになった真名部。
だがその直前にAが彼の思考を遮るように口を挟み、真名部はその意外な提案に思わず目を丸くする。
ママの部屋に…仕舞う？
つまり、彼女の母親の部屋？
「い……いいんで、しょうか。それ」
「大丈夫、バレなきゃ怒られないから！……多分」
「いや、絶対バレるでしょう？だってマ……その人の部屋なんでしょう？」
彼女の母親は聞いている限りだと、彼女の事をあまりよく思っていないようにも思える。
そんな母親の部屋に自分達の服を仕舞うなんて寿命を早める行為だ。
バレた日には自分も彼女もどんな目に合わされるかわかったものでは無いし、わかりたくもない。
そもそも、自分だって彼女の母親が帰って来た時にはどうなるかわからないと言うのに。
彼女の事も考えたら、真名部は顔を真っ青にさせて首を横に振った。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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