△リボンが79こ▽ ページ33
「バターロールとスティックパンです」
「へぇ〜、いっぱい入ってるね！」
「でも大した量ではありませんよ。
まあ、小腹が空いた時とかには最適なんですけれど」
「こばら？じんくん、小さいお腹があるの？」
「いえ、そういうわけでは…ああ、忘れてください」
話している内に説明するのが面倒になって、真名部は適当に誤魔化すと「それより何にするのですか？」と彼女に尋ねた。
するとAは少し考えてからまたパンの棚に戻り
そうしてそこから商品を取ると真名部と同じようにカートの中に入れた。
その商品は、真名部が今しがた入れたバターロールだった。
「…え？これでいいんですか？」
「うん！じんくんと一緒にする！」
「い、一緒にするって…」
満足気に笑いながらそう言うので、真名部は内心嬉しく思ってしまったが、首を横に振って再びカゴの中を見遣る。
カゴの中には真名部が入れたスティックパンとバターロール。そうしてAが入れたバターロール。
つまり、バターロールが2つ入っている。
バターロールは小さなサイズのバターロールが6つ入っているタイプなので、2人分合わせると12個だ。
回数を分けて食べようとしていた真名部は斜め上の決め方に思わず困惑したが、その間に彼女はスティックパンも手に取ってカゴに入れようとしていた。
そのスティックパンもやはり真名部が入れていた物と同じ商品だ。
真名部は流石に彼女を止めた。
「あ、あの！別に同じの買わなくても！
アナタの好きなのを選んで下さい！」
「うん、だから好きなの選んだよ？」
「いや、だからコレらは僕が先に選んだヤツじゃないですか…！それとも本当にコレが食べたいんですか…？」
「うん！じんくんと一緒のが食べたいの！」
「ぼ、僕と一緒のって…」
真名部にはわからなかった。
何故こうも彼女は自分と一緒の物を買いたがるのか。
他人が買っているのを見ると、ソレが多少なりとも魅力的に見えてしまう時があるが、彼女の場合はそれだけではなさそうだ。
真名部は彼女にもっと自由に選んでほしかったのだが
他ならぬ彼女は真名部の買う物を買いたがる。
それはまるで親の行動を真似する子供のようにも思えた。
「…じんくんと一緒のは買っちゃダメなの？」
「…まぁ、アナタがそれでいいのなら別に…」
疑念に思いながらも、彼女の満足気な表情を見たら特にそれ以上言う事は無くなり
追加で入れられたスティックパンについても拒む事はなかった。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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