△リボンが74こ▽ ページ28
「じゃあ、あとは立って歩けるかどうかですね」
自分で言ってから真名部に嫌な予感がした。
しかし靴はただ履くだけの物ではない。
なので仕方なく真名部は尋ねた。
「立って歩く？出来るよ！」
「わっ…！ちょっと！立つ時はもっとゆっくり…！」
言われてAはすぐ答えると、真名部の有無も言わさずｽｸｯと立ち上がる。
彼女の前にいた真名部は、最悪彼女がバランスを崩した時にと構えたが、彼女が倒れるような事はなかった。
ただ、やはりヒールが高過ぎて立ちづらいんだろう。
少しするとｸﾞﾗｸﾞﾗと身体が揺れ始め、真名部は両手を彼女に差し出しながら「大丈夫ですか？」と尋ねた。
「だ、大丈夫…だけど、なんか…立ちづらい」
「あ、歩けます？」
「やってみ……うわぁっ？！」
「っ？！」
とりあえずバランスは保ててるが、問題はここから。
恐る恐る真名部が尋ねると、彼女は珍しく若干引きつった顔をしながらも1歩前に足を出した。
そうしてもう1歩、足を出そうとした所でバランスを崩し、彼女は前に倒れそうになってしまう。
幸い、すぐ正面には真名部がいたので咄嗟に支えて事なきを得たが、直後に真名部は彼女に抱き着かれているような体制なのに気付き、彼女の顔のすぐ横で耳まで真っ赤になった。
「だっ、だだ大丈夫っ、ですか？」
「うん、だいじょーぶ！ごめんね、じんくん」
「い、いえ！お怪我が無いのなら、い、いいんです……！」
無い力で彼女を必死に支えながら、真名部は彼女を案じる。
するとすぐ顔の横で彼女の声がして、真名部の心臓が喧しく鳴り響く。
このままじゃ自分の心音が相手に聞こえてしまいそうだ…
真名部は早く離れてしまいたかったが、Aのｶﾞｸｶﾞｸと震える足がソレを許さなかった。
やはり彼女にこの靴のヒールは高過ぎたようだ。
まともに歩く事すらままならず、完全に真名部に体重を乗っけていた。
なんとかその状態から起き上がって、真名部から身を離したものの、まだ足は震えていて支えがないと立てない状態だった。
「えへへー、この靴、踵の部分が高くって歩けないや…」
「しっ、仕方ないですヨ！そ、そんなにヒール高いんですもの！」
「ひーる？」
「あ、えっと…か、靴の踵の事でス…」
苦笑いを浮かべるAにまだ胸が煩い真名部はまだ熱が冷めておらず、声が裏返ってしまう。
咄嗟に真名部は視線を落とすと、Aは不思議そうな顔をして真名部を見つめた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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