△リボンが71こ▽ ページ25
彼女に引っ張られ、階段を2階分駆け上がり、着いた4階。
それだけで体力の少ない真名部はもう息が切れていて、ｾﾞｪｾﾞｪと階段の上で息を整える。
対してAはさほど疲れた様子は無い。
息も切れていなければ、呼吸が乱れた様子も無く
寧ろ「大丈夫？」と真名部の顔を覗き込む余裕さえ見せつけた。
これは真名部が人並以下の体力だからか。
それとも、やはり彼女は真名部の予想通り、身体能力は高いのか。
少なくとも体力に関しては自分以上だ。
下手に逃げ出してもすぐ捕まえられるだろう。
そう考えたら、先程彼女から逃げ出そうとした自分が酷く愚かに感じた。
「走り過ぎちゃった…？お休みする？」
「い、いえ……それより、靴売り場は…何処なんですか？」
「それはね、あっち！」
「えっ、ちょっとっ…？！」
息切れを起こす真名部に最初はAも心配した様子だったが、靴売場の場所を尋ねるとその心配は何処へやら。
再び真名部の手を掴むと、問答無用で走り出す。
当然、手を掴まれた真名部も彼女に引っ張られる形で向かう羽目になった。
なので靴売場に着く頃には真名部はもう肩で息をしていて。
来てすぐ売り場内にあった椅子に座ると、真名部は息を整えた。
「あ、のっ…急に、走るの……やめてもらって…い、い……ですか……？」
「ご、ごめんねじんくん…つい……」
でもAに悪気は無いらしい。
真名部が思わず眉を顰めてそう言うと、Aはしょぼんと視線を落とした。
まるで親に叱られた子供のように見えて、真名部も居た堪れなくなり、すぐに「次は気を付けて下さいね」となるべく柔らかい口調で続けると、Aはﾊﾟｯと表情を変えて大きく頷いた。
真名部は思わず息を吐くと、うずうずと周りを見渡すAを見上げる。
彼女は周りの商品棚に並ぶ靴を見たくて堪らないのだろう。
しかし今度は真名部の事も考えて、その場に留まっているようだ。
先程は自分1人を置いて勝手に女性服売り場に行っていたと言うのに……随分といい加減な性格だ。
「……見に行っても、いいんですよ」
そんな彼女を見ていた真名部は、思わずそう口にする。
Aは不意な彼の言葉にｷｮﾄﾝと真名部の方を見遣ると、真名部は複雑に表情を歪めながら続けた。
「た……ただ、あんまり離れ過ぎないように。
せめて、僕の目が行き届く範囲内でお願いします」
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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