△リボンが55こ▽ ページ9
今まで彼女からは『ママ』しか聞いていないし
彼女の話から察するに母親と2人暮らしだと勝手に思っていたのだが……どうやら父親もいるようだ。
いや、それは当たり前だろう。
母親がいて、父親がいなければ人は産まれない。
母親がいるのなら、当然父親もいるだろう。
とはいえ普段の話にはあまり出て来ないので、一緒に住んでいる可能性は低いと考えられる。
となるとこの帽子は、その父親から譲り受けた物か。
はたまた、たまたま残っていた物か。
「ぱ……お、お父さん、いたんですね」
「うん！3人いるよ！」
「さ、3人っ？！」
少し気になってしまい、真名部は彼女に尋ねたが
想定していた答えの斜め上を返され、真名部は思わず声を上げた。
日本の法律では一夫多妻のように1人の人間が2人以上の人間と結婚出来るはずもないので、きっと彼女の言う『パパ』とはそう呼んでいるだけの他人だろう。
恐らく彼女の母親は少なくとも3人もの男性と関係を持っているようだ。
もしかしたらその中に彼女の本当の父親がいるのかもしれないが。
そうして彼女とも面識があると言う事は…その3人と彼女も面識がある？
それとも彼女が勝手に呼んでいるだけで、実際は顔を合わせた事もないのかもしれない。
「さ、3人も……お、お父さんがいるんですね…」
「うん！その帽子はカズヒコパパの帽子だよ！」
気になるけれど、これ以上は聞いてはいけないような。
そんな葛藤をしていたら真名部は中途半端な反応を返してしまうが、Aは気付いていないのか、真名部の持っている帽子を指差してそう笑った。
カズヒコパパ。その彼女の3人の父親の中の1人だろう。
途端に真名部は眉を顰める。
知らない人の物を頭に被るのは、やはり気が引けた。
しかもその帽子は心做しかヤニ臭い。
この帽子の持ち主はタバコを大分吸っていたのだろうか。
「…とりあえず、お借りしますね。
あ、ありがとうございます…」
「ううん、いーの！それより他に必要な物は？」
色々言いたい事もあるし、色々ツッコミたい事もあるが、真名部はそれらを全て飲み込み、彼女に礼を述べた。
すると彼女は善意から更に尋ねるので
真名部は思わず大きな溜息を吐いた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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