△リボンが54こ▽ ページ8
「その服、とっても素敵だよ？
それで出掛けるのはダメなの？」
「ですからコレは制服と言って、学校ごとにデザイン等が決められている服なんです。
サッカーでいうユニフォームみたいなもので……
じゃなくって…！僕は顔がバレてしまっているんです。
ですから、何か顔を隠せる物……帽子やマスクがあると望ましいのですが」
「帽子？それならママ持ってたかなぁ…？」
真名部の発言にAは思い出すようにそう呟くと「ちょっと待っててね！」と言って部屋を出て行ってしまった。
また不用心にも1人取り残された真名部。
しかし真名部はこの時、逃げ出す事よりも
何故自分がこんなにも必死になって自分の正体を隠そうとしているのかを考えていた。
何度も言うが、自分は誘拐された身だ。
ならば逆に目立つ格好をして、顔も普通に出せば忽ち自分は保護されるであろう。
そうすれば彼は晴れて両親の元に戻る事が出来
またいつも通りの生活に戻れる。
勿論、それは真名部自身の望みでもある。
いつ帰って来るかわからない彼女の母親の帰りを待ちわびながら、狂った女性と遊び続けるのは正直心が酷く疲れる。
一刻も早くソレから解放されたい。
そう思っている。思っているはず。
思っていなくてはいけないのだが。
「………」
ふと、真名部の脳裏に過ぎる記憶。
それを思い出して真名部は1つ溜息を吐いた。
丁度その直後、部屋の扉が開いてそこからAが戻って来た。
その手には黒色のツバ付き帽子が握られていた。
「まなべ！帽子あったよ！これでいい？」
Aは何処か嬉しそうにそう言いながら真名部に帽子を見せてやった。
どこにでもあるような普通のツバ付き帽子。
正面が白の布地で特に模様の無い、シンプルなデザインの帽子だ。
母親の持っている帽子と聞いて、麦わら帽子のようなハット系を思い浮かべていたが、男女どちらが被っても違和感の無さそうなカジュアルな物が出て内心ﾎｯとしていた。
「はい、大丈夫そうです。
…でも、いいんですか？借りてしまって」
「うん、大丈夫！それはパパのだから！」
「へっ…？パパ？」
お礼を言ってから彼女に恐る恐る尋ねると、Aは大きく頷いてそう答える。
『パパ』という単語に真名部は目を丸く見張ると
Aはまた不思議そうに真名部を見つめた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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