○彼○ ページ20
「＿＿＿」
でも、ハッキリと聞こえない聞こえない。
水の中だからかな。
ちょっと気になったけれど、上に上がる気にはなれなかった。
だって面倒だもん。体だって言う事聞かないし。
「＿＿＿！」
また、何か聞こえた。
さっきより幾分か声が大きい。
でもさっきより沈んでる私は、何にも答えない。
応えられない。
そんな私に痺れを切らしたのか。
�猗爿瓩蝋垢房蠅鮨�ばした。
白くて、長い指を持った手。
まるでお人形さんの手のようで、とても綺麗。
好奇心が擽られた私。
触れようと手を伸ばしてみる。
そうしたら案外簡単に手が動いた。
そう言えば、此処は夢の中だったなぁ。
夢の中なら私は身体が動かせるんだ。
それならば、と私は�猗爿瓩妨�けて手を伸ばした。
でも、どうしてかな。
伸ばされた手が遠のいて行く。
沈んでいるんだ。
私の身体は今、沈んでいるんだ。
そこで初めて私は恐怖を感じた。
身体はちゃんと動かせるけど、上がろうとはしない。
手は伸ばせるのに、自由に身体が動かせない。
海の底は真っ暗だ。
心做しかさっきより周りが寒く感じた。
このまま沈んだら、どうなるの？
何処まで沈むの？
沈んだ先には誰かいるのかな？
『い、や…』
このままだと、また1人になる。
独りになってしまう。
嫌だ、助けて。1人は嫌だ。
もう、寂しい思いはしたくない。
『＿＿＿ゴウセル！』
「A！」
堪らず�猗爿瓩量樵阿魘�ぶ。
そうしたら身体が一瞬、ﾌﾜｯと上がった気がした。
必死に足を動かして、ゴウセルの手に手を伸ばす。
もう少し、あとちょっと。指先が触れた。
そうしたら向こうが更に腕を伸ばして、私の手を掴んだ。
水の中が冷たいからか、掴まれたその手は暖かかった。
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＊IJu＊(プロフ) - シーナさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです〜( ´ ▽ ` ) (2020年5月27日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
シーナ - 最初から読みました！スゴく綺麗で切ないお話に涙腺が崩壊しました………！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
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