【イナイレ】シッカーラプンツェル8【不動明王】 (ページ25)

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◇ラプンツェルの反省ページ25

「…？！」

「緑川！」

急に倒れたミドリカワ。
これにはグラウンドにいるイナズマジャパンの皆は彼に駆け寄った。

ミドリカワはすぐに立つ気配がない……
やっぱり……やっぱりミドリカワ、無理をして……

「どうしたんだ？こんなに早く息があがるなんて……」

「…ずっと、特訓を続けて来たツケが埋まって来たみたいだ……『過ぎたるは及ばざるが如し』か……

すまない、みんなの足を引っ張って……」

立つ体力すらもう残ってないんだろうな。
ミドリカワはキドウの肩を借りて立ち上がり、よろよろとベンチまでやって来た。

私はそんなミドリカワにドリンクを渡し、まずは水分を補給させる。

すごい汗だ……まるで滝みたい。
こんな強い日差しの中でサッカーしてるんだもん。仕方ないよね。

タオル、冷たくした方が良かったかな？
ドリンクこれで足りる？念の為、塩分補給のタブレットも食べさせた方がいいかな？

ええっと、あと身体も熱いだろうから冷やして……
それと……そ、それと何をすればいいんだっけ？どうすればいいんだっけ？

今の今まで頑張って勉強したのに。
焦っちゃうとなかなか頭に浮かばなくって。

でもそんな私に対して、アキとハルナは全然迷いが無くって。
テキパキと動いて私がしたかった事をやってくれた。

慣れてるから…かな。動きが迅速……

でもそうだよね。
怪我とかって場合によっては選手生命に関わるもんね。考えるより先に動かないと。

私がやった事と言えば、ドリンクをミドリカワに渡しただけだ。

「はは……Aちゃんの言う事、聞いておけば良かったな」

アキとハルナのおかげでミドリカワの処置も終わり
動けそうにないミドリカワの代わりに氷のうをミドリカワの額に当てていたら、ふとミドリカワが苦しそうに笑いながらそう言った。

「えっ…？」

「折角、Aちゃんが心配してくれたのに…まったく。『馬の耳に念仏』ってのはまさにコレだよね……」

「う、うま……」

…こ、言葉の意味はわからないけれど
ミドリカワが反省しているんだろうなって事は伝わった。

でも今回のコレは私も強く言わなかったから。
言えなかったから。

その事を謝ったらミドリカワは「Aちゃんは悪くないんだよ」って。
「悪いのは無理してた俺なんだよ」って。
そう言って、また頭を撫でてくれた。