◇ラプンツェルは走る ページ41
ふらり、もう1歩後ろに下がる。
スカートの裾を握り締めて、涙を堪える。
でも涙で前が滲んで来る。
フドウの姿が歪んでいく。
頭の中ではフドウの言葉が何度も繰り返される。
ちんちくりん。消えろ。二度と戻って来るな。
何度も、何度も、何度も。
「………………ごめんね」
耐えられない。
頭の言葉も、目の前の現実も。
だから私は消えそうな震える声で最後にそう言うと
踵を返して、その場から逃げるように走り出した。
フドウは追い掛けて来なかった。
ただ背中をずっと向けて、最後まで私の方を見てくれなかった。
−−−
……どれくらい、走ったんだろう。
フドウの言っていた�爛轡�イチ�瓩鯣瓦韻董�知らない道を暗い中1人で走る。
行く先はわかってる。
帰る場所もわかってる。
でも、帰り道がわからない。
「(どうやって、此処まで来たんだっけ？
車で来たから結構離れてるのかな？
でも私がいた所はもっと明かりがあった。
だから此処じゃない。お父さんとお母さんは此処にはいない)」
もう、潜水艦に帰る道もわからない。
見た事もない道を、私は走ってる。
人がいたら、わかるかな。
聞いたら何かわかるかな。
でも夜遅いからか、周りに人がいなくって。
私の帰り道を知ってる人もいなくって。
…だんだん、疲れて来ちゃって。
「あっ…！」
ずっと走り続けていたからだろう。
疲労で限界だった足が縺れて、私は勢い良く前のめりに転んでしまった。
ｽﾞﾘｽﾞﾘ、膝を擦りむいた。
顎も地面にぶつけて痛い。
でも何より、その弾みで身に付けていたエイリア石の紐が切れて、私の元を離れて行ってしまった。
「っ…！？エイリア石……がっ……！」
私は急いで拾おうとしたけど、遅かった。
途端に身体が思い出す。私は病人なんだって。
胸が苦しくなって、呼吸もしづらくなって。
おまけに身体がｶﾞｸｶﾞｸ震えて、言う事を聞いてくれない。
ﾋｭｰﾋｭｰと必死に酸素を取り込もうとするけれど、全然楽にならなくて。
でも今、手元にこの発作を抑える薬はない。
フドウが窓から捨てちゃったから。
嫌だ、死にたくない。
まだお父さんとお母さんに会ってないのに。
何にもお話出来ていないのに。
まだ外の世界の事も知らないのに。
パーカーと帽子、タカナシに返してないのに。
助けて、助けて。誰か、助けて。
苦しいよ。死んじゃうよ。苦しいよ。
サクマ……ゲンダ……タカナシ……
「ふ……ど……ぉ…」
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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