△リボンが28こ▽ ページ31
朝食とはいえ食パン半分は量が少なく、2人ともあっという間に食べ終えた。
そうなるとAは昨日のように、また真名部と遊び始めた。
真名部もやる事がないので彼女に付き合い、昨日と同じような遊びに参加する。
ただ、昨日よりは大分警戒が解けたのか
真名部は慣れない遊びを度々楽しんでいた。
「…！」
��ｶﾞﾀｶﾞﾀ��
不意に上から物音がして、真名部は思わず上を向く。
Aも気付いたようでｻｯと顔を上げると
瞬きも忘れてじっと天井を見つめた。
途端に呑気に遊んでいた真名部の顔からｻｯと血の気が引いた。
彼は思い出したのだ。此処は誘拐犯の住む家の中だと。
もしかしたら自分以外にも誘拐された人間がいるのかもしれない。
今の物音はその人が立てた音で、何処かで助けを呼んでいるのかもしれない。
ああ、それとも殺し損ねた人が動いてしまったのかもしれない。
今の物音は、誘拐された人間の末路が最後の力を振り絞って出した音かもしれない。
考え出したら止まらない。
真名部の背中に冷たい汗が伝う。
恐る恐る、真名部は隣に視線をズラす。
すると、さっきまでﾆｺﾆｺと笑っていたAはおらず
天井を見つめたまま、表情の無い顔で目をカッ開くAの姿があった。
今まで優しく子供らしい姿しか見ていなかったから
真名部の想像は更に不穏な方へと加速する。
「……か、風が、強いんでしょうか？」
少しの沈黙の後、真名部が震えた声で呟く。
今日は外は風が強いらしく、カーテンが閉められた窓から風の吹く音が時々聞こえた。
この家は少し古いようだし、窓の建付けが悪くなっていても可笑しくはない。
だから真名部は誤魔化そうとしたが、彼女がソレを許さなかった。
不意にAは立ち上がり、真名部はﾋﾞｸﾘと肩を震わせる。
そのまま扉の方へ向かうAに真名部は声を掛けると
彼女は振り返りざまにﾆｺﾘと微笑みながら告げた。
「ちょっと様子見て来るね、真名部。待ってて」
そう言うと彼女は部屋から出て行ってしまい、真名部は1つ息を吐いた。
心臓が早鐘を打ち、脂汗が止まらない。
今更四肢が震え始め、真名部は持っていたパズルのピースを握り締める。
＿＿＿逃げなきゃ。
再び脳裏にその言葉が過ぎった。
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Rai - ＊IJu＊さん» イベント参加ありがとうございます〜! 実は私もその作品「 箱庭少女の孤高哀歌」も読んでました正に好きで、これからの作品ともに頑張って下さい！ (2020年8月25日 18時) (
レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます〜！では参加させて頂きますね〜！ (2020年8月25日 18時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - ＊IJu＊さん» その他大丈夫です！後そのまま画面、ペースト、通常検索など出て来ると思います！ (2020年8月25日 17時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ですが、Raiさんがもしよろしければ、他にもイナGOの作品を書いているので、そちらの方でイベントに参加させて頂いても宜しいでしょうか？ (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» 初めまして、コメントありがとうございます！折角のお誘い感謝致しますが、この小説は内容があまり明るくない上に人を選ぶ作品だと思っておりますので、この作品での参加はお断りさせて頂きます…… (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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