ゾンビに負けた【トド松】 ページ41
突然だけど、現在僕の目の前にゾンビがいる。
しかも僕にそっくりな。
腐敗した体、頭にロウソク3本、それでピンクのサンタ衣装に身を包んだソイツの下半身は部屋の中央に置き去りにされ
上半身はそのまま腹の中身を垂れ流しながら這いずる。
ハッキリ言って怖い通り越して気持ち悪い。
ヴアーヴアーばっかで何言ってるかわかんないし、たまに変なの吐くしもう部屋中汚くなってくし。
でもさ、何より怖いのが……
「おいでおいで〜！」
＿＿なんでその気色悪いゾンビに笑顔を向けてるワケ！！？
幼馴染みのAは手を叩きながら、まるで赤子のハイハイを見守るような瞳でゾンビに微笑みかける。
ゾンビはそれに応えているのか彼女の方へとズリズリ向かう。
ねぇ、怖いんだけど。
なんで笑ってんの？もしかしてサイコパスだったのA？
可笑しいよ、狂ってるよ。
ゾンビ相手にニコニコしながら「こっちおいで」なんて。
犬じゃないんだから。ゾンビだから。
ねぇ部屋の中央見てよ？あれ下半身だよ？？
「トド松もこっち来いよ？この子可愛いよ？」
「ヤダ」
ふと部屋の隅っこで膝を抱える僕と目が合ったAはクスリと笑いながらそう言う。
もちろん即答で否定してやった。
嫌だよ怖いよ。いくら自分と似てるからって。
ゾンビだよ？生きる屍だよ？なんで可愛いって言えるワケ？？
「ほらほら、トド松ー？こんなに可愛いよ？」
「ちょっ、やめて！！？近付けないでっ！！？」
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、Aはゾンビを抱き抱えると立ち上がり近付いて来た。
ゾンビの千切れた腹からデロデロと色んなモノが溢れて、『ヴアー』と何やら呻いてる。怖い怖い怖い。
「そんな怖がんなくっても…」
「怖いよ！！Aも含めて怖いよ！？
A目を覚ましてっ！？」
「何言ってんだ、お前？」
「アンタも何抱いてるかわかってる？！」
ひたすらゾンビを拒絶し首を横に振り続けていると、Aは近付くのをやめてその場に腰を下ろした。
ゾンビは自分の膝の上に乗せて。
ねぇちょっと。ドロドロがズボンにもろ垂れてるけど大丈夫？
「こんなに可愛いのにー…」
「可愛くないっ！！」
しょぼくれた表情でゾンビの頭を撫でるAに僕は必死に否定した。
ホント可笑しいよ。僕より僕そっくりなゾンビの方が可愛いだなんて。
ゾンビに負けた悔しさとAの膝に乗っている羨ましさに、僕はゾンビを精一杯睨みつけた。
導きの神様【アフロディ】＊areru様リクエスト→←鳥籠【ゴウセル】
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紀鏡 - あれ…好きなもの【風丸】の肉のやつになんか察しがつくぞ…ちょっ？！佐久間？生きてる？！ (2017年7月3日 16時) (
レス) id: 4f8c5bdb75 (このIDを非表示/違反報告)
空月 - 好きなもの【風丸】ってやつの肉ってまさか佐久間の((( (2017年2月6日 14時) (レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
areru - 面白かったです。 またいつかでいいのでijuさんのアフロディ楽しみにしています。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 8f172b8017 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ＊IJu＊さん» わかりましたれありがとうございます♪ (2016年1月24日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - リオさん» リクエストありがとうございます！！ お話がまとまり次第、この短編集の続編に更新しますので少々お待ち下さい！ (2016年1月24日 16時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年9月10日 13時
