僕だけを【チョロ松】 ページ37
「うぅ…ｸﾞｽｯ…」
「…A？」
とある土曜日、僕以外の兄弟達が皆出掛けて1人で家にいると、ふと女性の泣き声が聞こえた。
なので気になって聞こえた方へ行ってみると、そこには声を殺して泣いている妹のAの姿が。
「ちょ、ろ…松…にぃ…」
「ど、どうしたのA？なんで泣いてるの？」
「チョロ松、兄さん…！！」
僕は泣いている理由を尋ねるとAはそれには答えず
代わりに僕の胸の中に飛び込んで来て、僕の胸板に顔を押し付けた。
背中には彼女の腕が回され、Aはしゃくり上げながらも口を開く。
「最近、兄さん達が冷たい、の…
何かが無くなった、ら…すぐ私のせいにしたり…無視、したり…」
「え…？」
「私、何もしてないのにっ…
じ、十四松兄さんまで…私を…無視して…」
「A…」
話を聞き、僕は彼女の背中に腕を回して頭を撫でてやった。
Aは泣きながらもポツポツと話を続ける。
「わ、たし…何もしてない…
なのに、どうして…急に…」
「本当に何もやってない…？
前までは普通に仲良かったじゃない？」
「わかんない…もう、わかんないよ…！
私、には…もうチョロ松兄さんしか…いない…チョロ松兄さんしか…いないの……」
「…」
そう言うとAはギュッと強く抱きついて、大粒の涙を床に落とす。
僕は黙って頭を撫でながら
彼女の首の後ろでこっそりと笑みを浮かべた。
ねえ、今の聞いた？聞いたよね？
『私にはもうチョロ松兄さんしかいない』だって？
『チョロ松兄さんしかいないの』だって！！
ああ、最高だよA。
全てにおいて愛しくて愛しくてたまらない。
そうだよ、A。君の味方は僕だけさ。
だから君は僕のそばにいればいい。
あんなクズな兄弟達にAを渡してたまるか。
だからわざわざAの悪い噂を皆にでっち上げたんだ。
そしたら案の定、皆Aを避けてくれたよ。馬鹿な兄弟達だ。
とにかく今この瞬間、Aは僕だけのAになった。
僕だけを頼ればいい。
僕だけを見て欲しい。
そうすればA、君は幸せなはずだよ。
だって僕は兄弟の中で唯一の常識人なんだから。
「チョロ松兄さんは…私を無視したりしないよね…？」
縋るように僕に問い詰めるAの頬を撫でると、僕の口角が自然と緩む。
何とかそれに耐えると僕は彼女に言ってやった。
「ああ、勿論さA…
ずっとずっと、僕はAの味方だよ」
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紀鏡 - あれ…好きなもの【風丸】の肉のやつになんか察しがつくぞ…ちょっ？！佐久間？生きてる？！ (2017年7月3日 16時) (
レス) id: 4f8c5bdb75 (このIDを非表示/違反報告)
空月 - 好きなもの【風丸】ってやつの肉ってまさか佐久間の((( (2017年2月6日 14時) (レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
areru - 面白かったです。 またいつかでいいのでijuさんのアフロディ楽しみにしています。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 8f172b8017 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ＊IJu＊さん» わかりましたれありがとうございます♪ (2016年1月24日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - リオさん» リクエストありがとうございます！！ お話がまとまり次第、この短編集の続編に更新しますので少々お待ち下さい！ (2016年1月24日 16時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年9月10日 13時
