気になるあの子に恋愛相談【トド松】 ページ32
「えーー！！？失敗しちゃったのっ？！」
店内に響き渡る少女の声。
周りからは何事かと視線を浴びる。
僕は慌てて椅子から腰が浮きかけている友達のAを宥めて落ち着かせた。
彼女は我に返って椅子に座り直すと「マジ？」と僕に尋ねる。
「…ほんと」
「だってこの間、一緒に出掛けたって…」
「うん…合コンまで誘ってもらった」
「そこまで行って何故？！」
「兄さん達だよ…」
「あ…」
まだ「有り得ない」とでも言いたげなAにそう説明すると、兄さん達の事を知っている彼女は納得したように肩を落とした。
そしてオレンジジュースを一口飲むと溜息を吐き、頬杖をつく。
Aには最近よく頻繁に会ってはこうして僕に彼女が出来るようにとアドバイスを貰っている。
Aは僕の事をよく理解している人で、先日まで働いていたあのバイト先を紹介してくれたのも彼女だ。
……それなのに……
「何でバレたの」
「わからないよ！
バイトの事何も言って無いのに、いきなり皆でやって来て…」
「でも上手く誤魔化せば…」
「ムリ、アレはムリ」
「…うん、聞かないでおくよ」
話しているうちに思い出して恥ずかしくなり、僕は頭を抱えて机に突っ伏した。
すると優しい彼女は僕の肩をポンポンと叩き、慰めてくれる。
「…バイトは？」
「やめた」
「だろな」
「もうヤダ…ニートに戻った…」
「いっそ離れた所で1人暮らししたら？」
「嫌だよ！1人で暮らすなんて！
オバケ出たらどうすんの？！」
「アンタ何歳だよ」
しかし彼女の提案はホント、嫌だったので即答するとAは眉を顰めた後、溜息を吐いた。
……だって、怖いんだもん…
「はーあ、もう諦めたら？彼女探し」
「嫌だよ！兄さん達みたいになるのだけは絶対ヤダ！」
「うん、それだけは私からも頼むわ」
「A、お願い！またいい所紹介してっ！」
「またぁ？コレで4度目だよ？懲りないねぇ」
「お願い！！今度は成功させるからっ！」
「うー…仕方ないなー」
僕が必死に頼むとAは少し考えた後頷いて、クスッと優しく微笑んだ。
僕は不意だったその表情に思わずドキッとする。
「今度は成功させてよね〜」
「う、うん！ありがとうA！！」
僕は彼女の手を握るとブンブンと振って喜んだ。
Aは困ったように笑って「任せなさい！」と胸を張る。
＿＿こんな彼女に恋してるだなんて気付くのは
もう少し先のお話。
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紀鏡 - あれ…好きなもの【風丸】の肉のやつになんか察しがつくぞ…ちょっ？！佐久間？生きてる？！ (2017年7月3日 16時) (
レス) id: 4f8c5bdb75 (このIDを非表示/違反報告)
空月 - 好きなもの【風丸】ってやつの肉ってまさか佐久間の((( (2017年2月6日 14時) (レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
areru - 面白かったです。 またいつかでいいのでijuさんのアフロディ楽しみにしています。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 8f172b8017 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ＊IJu＊さん» わかりましたれありがとうございます♪ (2016年1月24日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - リオさん» リクエストありがとうございます！！ お話がまとまり次第、この短編集の続編に更新しますので少々お待ち下さい！ (2016年1月24日 16時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年9月10日 13時
