記憶喪失【速水】 ページ31
今日、私は記憶を失った。
と言っても全てを忘れたわけじゃなくって
多分5〜6年位前の記憶がすっぽり抜け落ちてしまったようで。
病院の人に話を聞くと、どうやら私は交通事故に巻き込まれたみたい。
覚えてないからわからないけれど。
それで私の病室には色んな人が来た。
まだ覚えていた両親や幼馴染み
全く記憶に無い先生やクラスメイト。
その数と接する様子を見るに、どうやら私は慕われていたらしい。
出来れば早く思い出したい。
「A…！！」
ぼんやりと病室で昔の事を思い出そうとしていると、不意に病室の扉が勢い良く開かれた。
そして入って来たのは、メガネを掛けた細っこい子。
身長は私より高くて、2つに結んでる。
一瞬女の子かな、とか思ったけれど
胸があまりにも無さすぎるから多分、男の子。
私と同じ学校なのかな…？
さっき来た、私と同じクラスメイトだと言う神童君と同じ制服を着ている。
「だ、大丈夫ですか、A…！」
「う、うん。大丈夫、だよ」
酷く心配そうな顔で私の手を握る彼に微笑みかけながら、私は必死に頭の中で彼を探す。
思い出せない…って事は、5〜6年の間に出来た友達…だろうか。
ホント、私は色んな人に慕われていたみたい。
「交通事故って聞いて、心臓が止まるかと思いましたよ……」
「そんな…大袈裟だなぁ」
「心配にだってなりますよ！
もう…死ぬかと思った……」
彼は震える声でそう呟くと、私の手をギュッと握り締め俯いた。
よほど心配させてしまったみたいだ。
「それに…記憶失くしたんですよね？
さっき、神童君に聞きました」
「うん…そうなの。
だから、ね……私、貴方の事も覚えてなくって……」
「……そんな………」
そんな彼にそう告げると彼は目を見開き、驚きと悲しみが混ざったような表情で私を見つめる。
だがすぐに作ったような微笑みを浮かべると、肩を竦めて乾いた声で笑う。
「…じゃあ、教えてあげます。
俺の事」
彼はそう言うと私の手をスッと引き寄せ、私の手の甲を愛おしそうに撫でた。
私は目を見張って、彼の次の言葉を待った。
「……俺の名前は速水鶴正。
貴方と同じクラスメイトで……」
そこまで言うと彼…速水君は口を噤み、俯く。
私が首を傾げると、彼はすぐに顔を上げて
私の手の甲に、キスをした。
「＿＿貴方の、恋人です」
そう告白した速水君は薄らと微笑みを浮かべ、
そっと私の頭を引き寄せた。
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紀鏡 - あれ…好きなもの【風丸】の肉のやつになんか察しがつくぞ…ちょっ？！佐久間？生きてる？！ (2017年7月3日 16時) (
レス) id: 4f8c5bdb75 (このIDを非表示/違反報告)
空月 - 好きなもの【風丸】ってやつの肉ってまさか佐久間の((( (2017年2月6日 14時) (レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
areru - 面白かったです。 またいつかでいいのでijuさんのアフロディ楽しみにしています。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 8f172b8017 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ＊IJu＊さん» わかりましたれありがとうございます♪ (2016年1月24日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - リオさん» リクエストありがとうございます！！ お話がまとまり次第、この短編集の続編に更新しますので少々お待ち下さい！ (2016年1月24日 16時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年9月10日 13時
