＊ ページ25
「…俺、何かした？」
また少し間を空けて、一松さんはそう言った。
「え…？」
「目、合わせてくれないから。
俺何かしたの？」
いつもと同じ淡々とした口調だったが
いつもより弱々しく聞こえた。
『違う』と否定しようとしたけれど何故か声が出なくって
私は黙って首を横に振る。
「…じゃあ、何で泣いてんの」
「…あ…」
ダメだった。
堪えきらなかった。
私は慌てて手の甲で涙を拭うが全然止まってくれない。どんどん溢れ出てくる。
「ちっ、が…違うの、一松、さん…違うのっ……」
でも一松さんのせいにはしたくなくて、必死に私は「違う」と訴えた。
一松さんは酷く狼狽えた様子で目を見開くと
「…じゃあ、何？」と少し震えた声で私に尋ねる。
だから、私は
「…一松さんにとって、私は、何…？」
「…は？」
思い切って彼に聞いた。
一松さんは驚きと戸惑いの混じった顔をすると
私から目をそらして、俯いた。
「一松さん…前に『友達なんかいらない』って。『作るだけ労力の無駄』だって、言ってたから…
…だとしたら、私は一松さんにとって何なのかな、って…」
我ながら、馬鹿だと思う。
こんな事で悩んで、泣いて。
それこそ相手に迷惑を掛けてるもんだ。
でも、それでも彼のそばにいたいんだ。
だって、私は______
「……友達」
気不味い静寂の中、一松さんは静かに呟いた。
私は思わず顔を上げて目を見張る。
「……え？」
「友達。…あんまり言わせないで」
え、え…？友達？
でも、友達はいらないって……
「…アンタなら、別に友達でもいいよ」
戸惑う私の心を見透かしたのか、一松さんはそう言うとチラッとこちらを見て、すぐに目をそらす。
「……隣、座ってもいい？」
続けて一松さんはそう言って、私は迷わず頷いた。
すると一松さんはおもむろに立ち上がり、私の隣まで来て腰を下ろした。
……こんなに接近したのは初めて。
「…ああ、でもやっぱ友達は嫌かも」
「え…！」
座った直後、一松さんは下を見つめながらそう呟く。
…酷い。
ちょっと期待したのに。
「…だからそんな顔しないでってば。
別に、そう言う意味じゃないから」
「じゃあ、何なのですか…」
「いや…その…だから…」
一松さんは困ったように首に手をやると、ほんのり頬を染める。
そして彼はぎこちない言葉でこう告げた。
「……俺と、付き合って下さい」
懺悔の波打ち【皆帆】→←友達はいらない【一松】＊アヤ様リクエスト
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紀鏡 - あれ…好きなもの【風丸】の肉のやつになんか察しがつくぞ…ちょっ？！佐久間？生きてる？！ (2017年7月3日 16時) (
レス) id: 4f8c5bdb75 (このIDを非表示/違反報告)
空月 - 好きなもの【風丸】ってやつの肉ってまさか佐久間の((( (2017年2月6日 14時) (レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
areru - 面白かったです。 またいつかでいいのでijuさんのアフロディ楽しみにしています。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 8f172b8017 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ＊IJu＊さん» わかりましたれありがとうございます♪ (2016年1月24日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - リオさん» リクエストありがとうございます！！ お話がまとまり次第、この短編集の続編に更新しますので少々お待ち下さい！ (2016年1月24日 16時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年9月10日 13時
