【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルの再会 ページ34

「まさか……Aか！？」



私と目が合うと、途端に眼帯を付けた彼……サクマは大きな音を立てながら椅子から立ち上がった。

その隣に座っていた人……ゲンダも同じ様に立ち上がり、驚いた顔をして私を見つめる。


私も2人と同じような顔をしていたと思う。
ううん、もっと驚いてたかも。

でもすぐに頬が綻んでいって、私は2人の無事な姿を見つけて思わず笑みを浮かべた。



2人とも、いる…！ちゃんと元気にしてる！

良かったぁ……2人が此処にいる事はフドウから聞いていたけれど、でも確信が持てなかったから。


もしかしたら騙されてるのかもって思ってたけど…良かった…良かった……！

それに2人とも、想像してたような怪我とかもしてないみたいだし。
少なくとも暴力とかは振られてないかもね。



「サクマ…！ゲンダ…！」



2人を見たら嬉しくて。やっと会えたのが嬉しくて。

私は思わず2人の元へ駆け寄ろうとしたが
その前にサクマは怖い顔でフドウを睨むと、机をﾊﾞﾝｯと叩いて声を荒らげた。



「不動っ！！彼女は俺達とは関係ないと何度も言っただろう！？どうして此処に連れて来た！！？」

「っ…！」



サクマの剣幕に私は思わず足を止めて、サクマを見遣る。


サクマのあんな顔、見た事ない……
いつもは優しく笑ってくれていたのに。

フドウとはまた違った怖い顔だ。
まるで狼が威嚇しているみたい。

このままだとフドウを殴りそうな勢いだ。


隣のゲンダも同じような顔をしてフドウを睨みつけていて、私は2人とフドウを交互に見遣る。



「どうして、って…あの現場を見られてたんだ。連れて来ないワケがない。
お前らの関係者であろうとなかろうと、端から連れて来ようとは思ってたんだよ」

「彼女は重い病気なんだぞ！万が一、命の危機に陥ったらどうするつもりだ！？」

「大丈夫だって。エイリア石があれば発作も起きないみたいだしなぁ？
それどころかフツーに運動だって出来るぜ？」

「お前……まさか、彼女にまでサッカーをさせるつもりか！？」

「当たり前だろ？此処に来たからには、きっちり駒として働いて貰わないと」

「貴様っ……！！」



サクマもゲンダも怖い顔をして、フドウを怒鳴る。

でも対してフドウはﾆﾔﾆﾔと笑いながら、からかうような口調で答えて。


ソレが更に2人の神経を逆撫でしているんだろう。
今にも2人はフドウに飛び掛りそうな剣幕だ。



………どうしよう。

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