【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルの部屋 ページ26

潜水艦の中は薄暗く、それでいて圧迫感を感じた。

多分、天井が低く通路が狭いからだろう。
人と並んで通るのでｷﾞﾘｷﾞﾘな幅の通路だもん。
天井は鉄パイプがいっぱい通ってるし。

病院はもっと広かった。もっと天井も高かった。
でもこれはこれでちょっとアトラクションのようで楽しいかも。



「…おい、何止まってんだ。後ろつっかえてんだよ」

「あ…ご、ごめんなさい」



初めての潜水艦に興奮していたら、不意に後ろから怒られてしまった。

私は慌てて横にズレるとフドウも潜水艦の中に入って来た。
その瞬間、潜水艦の扉がゆっくりと閉められ、同時に階段も縮んでいき、もう潜水艦からは出られなくなってしまう。


途端に蘇る不安。罪悪感。恐怖。

このまま此処にいていいのか。
この先どうやって過ごせばいいのか。
この石があれば本当に私よ病気は大丈夫なのか。


退屈な日々から解放される為にと彼について来たが…
本当にこれで良かったのだろうか。

明日になれば当然、看護師さん達は私が消えた事に気付くだろう。
そうなったらサクマとゲンダがいなくなった時みたいに問題になるはずだ。


そうして問題になれば、きっと�爐△凌傭��瓩蓮帖�



……………いや、無いかな。



「…こっちだ、ついて来い」



扉が完全に閉まる前に、フドウはそう言って歩き出す。

私も彼とはぐれないように、そのすぐ後ろを言われた通りついて行った。



「何処に向かってるの？」

「お前の部屋」

「部屋…？私、此処に住むの？」

「病院と此処を行き来するとでも思ったか？残念。
本当は総帥サマに御挨拶させたい所だが…夜も遅いし、俺も眠いし」

「じゃあ、明日になったらサクマとゲンダに会える？というか、2人とも此処にいるんだよね？何処の部屋なの？部屋だけでも教えて！」

「……明日、本人達から聞け」



2人の居場所を尋ねようと思ったけれど、フドウは無愛想にそう言って、欠伸を1つ。

フドウもこの時間は寝ている時間なのかな。
だとしたら少し悪い気分。



そんな話をしている間にその部屋とやらに辿り着いたみたい。

フドウはとある扉の前で立ち止まると
ノックも無しに扉を開いて、部屋の電気を付けた。


薄暗い通路を歩いていたから、急な明かりに私は思わず目を背ける。

でもフドウはｽﾞｶｽﾞｶと部屋の中に入って行き
私はまだ慣れない目を薄ら開いて、フドウの姿を目で追った。





「んんー………何？」

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