大袈裟なのです ページ34
道を曲がって少し進むと、やがて小さなお店が立ち並ぶ通りに辿り着いた。
そこは何処か懐かしさを感じさせる雰囲気を醸し出し、夕食前だからか買い物客で大いに賑わっていた。
どうやら此処が不動さんの言っていた商店街ですね。
確かに見るだけでもお祭りみたいで楽しめそうです。
「そしていい匂いがします」
「お前、ホント食い物だな…」
此処に着く前からほんのりと、とても美味しそうな匂いがしていましたが
その前までやって来るとより強く香り、その匂いは私のお腹を鳴らすのには十分でした。
咄嗟にお腹を押さえ、恐る恐る不動さんの方を見遣ると
不動さんは呆れたように溜息を吐いてから、私と繋いでいた手を1度離して、私の頭の上に手を置いた。
「…夕飯前だから、あんまりボリュームあるのはダメな」
「ケチですね」
「いや、だから夕飯前だっつの」
「私の胃袋を舐めないで下さい」
「……ああ、はい」
割と真面目に引かれた気がします。
不動さんはまた溜息を吐くと再び私と手を繋ぎ、「しょうがねぇな…」と一言零す。
その言葉を同意と受け取った私は不動さんの手を握ると
やはり不動さんもしっかりと、私の手を握り返してくれました。
−−−
「はい、そこまでにしようか古城サン？」
「あと1つだけ、1つだけ何か食べたいです」
「そう言ってお前は一体幾つの店回って食い物買ってんだ？？」
「これで最後にしますから」
「ダメだ、これ以上は俺の生活に関わる」
不動さんは深刻そうな表情でそう言うと、ｽﾞﾙｽﾞﾙと私を引っ張って大福屋を後にする。
不動さん酷いです。いちご大福1つだけでも買ってくれれば良いのに。
まだ私、焼き鳥とお団子とお煎餅とおでんとキュウリの塩漬けと唐揚げとコロッケしか食べてないのに。
「お前の胃袋真面目にどうなってんだよ…」
「今までのは別腹です」
「怖すぎるわ、ソレ」
不動さんは呆れを通り越して長い溜息を吐く。
怖いだなんて、不動さんは大袈裟ですねまったく。
食べる事の何が悪いのでしょうか。
「お前とは祭りとか絶対行かない」
「何故ですか？」
「いや、今までのは流れしてわからないのは流石に可笑しい」
「お祭り楽しいじゃないですか。
是非夏休み一緒に花火大会にでも」
「どーせ目的は屋台だろ」
「花より団子が」と続ける不動さんに私は眉を顰めて、不動さんを見遣る。
……私だって、花火は見ますよ。
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＊IJu＊(プロフ) - 秋さん» 御指摘コメントありがとうございますー！ 寝惚けてたんですかね…わかりやすくご説明して下さりありがとうです…！早速直してきます！ (2017年9月8日 21時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - 『元気だったんだ』の回の、お菓子を買って良いか問いかける台詞の「不動さん」が「不動ん」になってますよ〜 (2017年9月8日 21時) (携帯から) (レス) id: 66483bffd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァノア(プロフ) - 続きが気になります！ 確かに明王カッコいいですよね！ (2017年7月7日 21時) (携帯から) (レス) id: be32b6886c (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 菜桜 エネさん» コメントありがとうございます！ 同士でしたか…！不動さんカッコイイですよね、素敵ですよね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) そう言って貰えて嬉しいです…！ 更新頑張ります(∩´∀`∩) (2016年8月6日 22時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 エネ(プロフ) - 私も明王大好きです！いいお話だと思うので、更新頑張ってなのです。 (2016年8月1日 6時) (レス) id: f7768399a3 (このIDを非表示/違反報告)
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