◆悪者はズルい ページ18
「…おい、どういう事かちゃんと説明しろ」
彼女の話が何一つ見えない。
広がった嫌なモノは一向に消えない。
俺はちんぷんかんぷんな事を言い出す彼女に説明を求めたが、彼女は答える代わりに睨む様に俺を見て視線を落とした。
…なんだよ。教えたくないってのか。
「教えなきゃ、ダメなの？」
「当たり前だろ？これでも俺はこのチームのキャプテンだ。チームメイトの事を知るのはトーゼンの権利、だろう？」
「今まで私にサクマとゲンダの事、黙ってたのに？」
「っ…！」
…そう言われてようやく、彼女の妙な態度の理由がわかった。
コイツはやっぱり知っていた。
佐久間と源田が禁断技を使えるようになったのを。
そして、誰がソレを知っているのかも知られたんだ。
ソレを知ってるのは、総帥は勿論の事、チームのキャプテンである俺もだし、何ならチームメイトは皆知っている。
知らなきゃ連携取れないからな。
それにあとから変な正義感でｺﾞﾁｬｺﾞﾁｬ言われても困るから。
だからこの潜水艦内で、唯一知らなかったのは黒井だけだ。
俺が伝えるタイミングを逃したってのもあるが
何より佐久間と源田から言うなって言われたから。
「…フドウ達は禁断技の事教えてくれなかったのに
私には何をしていたか教えてって言うんだね」
「……」
「……ズルいよ、そんなの」
彼女は恨めしそうに俺を睨みながらそう言うと、そっぽを向いた。
彼女の一言一言が、妙に頭に響く。
俺は思わず頭を押さえると、不意に黒井は総帥を見上げて軽く頭を下げた。
「…明日から、その…よろしくお願いします」
「…ああ」
ぎこちなくそう言って彼女は顔を上げると、部屋の扉を開いた。
最期に俺の方を一瞥してから中に入ると扉は閉められ
暫くの静寂の後に、俺は総帥の方を見遣る。
無言で説明を求めると、総帥は何処か見下すよう俺を見下ろして「そう怖い顔をするな」と笑った。
「…アイツに何を吹き込んだんだ？総帥サマ？」
「なに、私はただお前の手助けをしたまでだ」
「はァ？手助け？」
「そうだ。また駒に逃げられても困るからな。
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「っ……」
奴の口元が歪む。
人を人として見ていないその物言いに、何故だか無性に腹が立った。
自分の事は棚に上げて。
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＊IJu＊(プロフ) - 胡蝶之夢さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いているようで嬉しいです(｀･ω･´)更新頑張ります〜！ (2020年5月25日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - とってもいいところで切り上げられているので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2020年5月23日 1時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！自分もまだまだ小説の書き方は模索している最中ですが、そう言って貰えて嬉しいです…！ありがとうです( ´ ▽ ` ) (2020年4月21日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - あぁー......尊いぃ......（語彙力皆無）ホント、ストーリーの構成から文章の書き方から全部上手いですね！尊敬します！ (2020年4月20日 19時) (レス) id: 8c61b1b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 氷浦メグさん» コメントありがとうございます！早くくっついて欲しいですね〜(他人事) 素敵な夫婦に…なると、いいな…… (2020年3月22日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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