【子育てif】愛情を ページ37
※石田さんともっと早い時期に結婚して出産していたら…というif設定になっています
現在軸ではありません(2013年ごろ)※
アニメのアフレコが終わり、人が出入りしたりお喋りしたりと、静かだったスタジオがざわざわと騒がしくなる。
現場の緊張感で強張っていた身体をほぐすために肩を回して、連絡が来ているかチェックしようとスマホをひらく。
するとメッセージアプリから一件通知が来ていた。
アプリを開くと、宛名は今年結婚10年目を迎える旦那さんだった。
『茜、迎えました』
文章が硬くて、人によっては無愛想とも取られてしまうようなそれが、なんだかおかしくて愛おしくて、思わず笑みが溢れた。
そういう不器用なところが好き。息子も娘も生まれる前、彼にそう告げたら、心底訳が分からないという風に不思議そうに首を傾げていたっけ。
まだあの時は2人だけだからすごく部屋が広く感じて、でも今のぎゅうぎゅう感も大好きなんだけど。
そうやって物思いに浸っていると、周りの人達がどんどんスタジオから出て行くのに気がついた。
『了解です!』
慌てて "ありがとうございます" と書かれたスタンプとともに返信する。
あともう一本こなせば一旦仕事が終わる。テンポよく終わらせてお家へ帰ろうと、椅子から腰を上げた。
〜
「ただいま〜」
「ママおかえり!」
「おかえりぃ」
「おかえり!あんね、茜ね〜!」
家に帰りリビングへ入ると、三者三様のおかえりが返ってきて、ほっとした。
その中でもお喋り好きな4歳の茜は今日もおもしろいことがあったのか、もう口が止まらないと言った感じで話を続けようとする。
「茜、ちょっと待ってね、手を洗うから」
「いいよぉ!」
対面キッチンのシンクで手を洗っていると、台の上に真空パックされた鶏肉があるのに気づいた。
「パパ、お肉の解凍ありがとねぇ」
「はーい」
「パパ、テレビ見えない!」
「ごめんごめん」
巽はEテレのドキュメンタリー番組、特に地球ドラマチックが大好きで、録画した分を何回も何回も見ている。
今もテレビの前からちっとも動こうとしない。それが興じて休みの日に博物館へ行くことも計画しているのだ。
早く行きたい!とよく口にしている。
「そしたらみっちゃんがね!『はいっ!』って貸してくれたの!」
茜はキッチン前の椅子に座って、今日あったことを一生懸命話している。
続く→
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poco(プロフ) - 嬉しいです🥹待ってます😆 (1月10日 1時) (レス) id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - pocoさん» ありがとうございます!深夜のテンションで書ききっていたので不安だったので嬉しいです笑 続きができたらまた投稿しますね😚 (1月10日 1時) (レス) id: 4ec9f1e3da (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - ももさん» コメントとリクエストありがとうございます☺️子育てのお話は少し時間がかかるかもしれませんが、書かせていただきますので少しお時間いただけたら幸いです! (1月10日 1時) (レス) id: 4ec9f1e3da (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - ラジオでの惚気ネタめちゃくちゃ面白いです!続きもぜひ見てみたいです! (1月10日 1時) (レス) @page40 id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
もも - お子さんとのお話とっても好きです!もし宜しければまた続きがあると良いなぁと思っています……!🥺✨ (1月8日 22時) (レス) @page7 id: aa51dc45d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤野 | 作成日時:2023年9月4日 2時