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「パンケーキって、何処ぞの女子よ。」
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1時間半弱も猛暑の中並んで、この子がチャチャと頼んで来たものは、致死量越えの生クリームを乗せたパンケーキと呼んでいいのか、よく分からないものだった。
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「しゃーないやん、Aとしか来れないやしさ。みんなこんな僕を知らないからさ。でっさー、あれどう思う?」
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「もうちゃっちゃとカミングアウトすればいいじゃん。LGBTって二十人に一人なんでしょ?で、何の話だっけ?」
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「Aはすんなり言うけどね、まだ理解されてない世界やで?ただ好きな人が、同性だったってだけやのに、どうしてこんな気持ちに僕達がならなきゃいかんのやろ。
…もしかして、あの1時間半弱話してたあの話聞いてなかったん?」
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「好きな人は好きな人でしょ?笑われたりからかわれたら、それはその人がおかしい。
うん、長いな〜この列何処まで続くの?くらいしか思ってなかった。」
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大学に入って、一番初めに出来た友達がこの子だった。第一印象としては、男らしい。だったが、一ヶ月も一緒にお昼を食べてれば、徐々に出て来た。
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私は、別におかしい事とは思わなかった。たまたま好きになった相手が同性なだけ。それ以外は何も変わらない。
同性が好きな人も異性が好きな人もどっちにしろ、恋をしなきゃ何一つ発展しないのだから、おかしい点はない。と思う。
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「普通は居ないんやで、Aみたいな人。あのね、カミングアウトするとね、みんな腫れ物を触るように接してくるんよ、僕はただ普通にしてほしいんやけどな…みんなと同じで普通に恋してるだけやから。
嘘やろ、僕が話したこの1時間半弱は何やったん?(笑)最後の一口食べる?」
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「私はお友達として接してるよ、それが普通なのかどうかも分からないけど。章ちゃんは章ちゃんだから、これって普通なのかしら?
ごめん、どうせ丸のことでしょ?食べていいよ。」
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作者名:みーとぼーる | 作成日時:2016年10月13日 3時