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大和 「奈央っ!」
カウンターから少し離れたとこで私を呼ぶ大和。
奈央 「ちょっと行って来る…」
大和の方に近付くと臣の方ばっか見てるから
わざと大和が臣に背中を向けるようなとこに動いた。
大和 「あの人、彼氏?」
奈央 「違うよー どうしたの?注文?」
すっかり標準語に染まっている私達。
大和 「いや、謝りたくて…」
奈央 「え、私に??」
大和 「おでこ… 見して」
身長190はある大和が少し屈み、
右手で私の前髪をかき上げる。
奈央 「ちょっ、ヤメてよ!何?」
見られたくなかったから
触られた手をすぐ退かして大和を睨んだ。
大和 「あんなに、おでこ綺麗だったのに…
ごめんな、俺のせいなんだろ?その傷… 」
奈央 「傷の事… 何で知ってんの?」
前髪を退かされた時に見えてしまったおでこの傷。
カウンターにいる臣にも見られたかな…
大和 「玲於から全部聞いた。鼻も骨折してたって」
あいつ…
大和 「何でもっと早く言ってくんなかったんだよ!」
奈央 「もう過去の事だから…
忙しいしまたね。バスケ頑張って」
大和 「ちょ、奈央っ!」
傷が隠れるよう前髪を元に戻し、
わざと忙しいふりをした。
別れた後に携帯を変えたから、
大和の連絡先は知らないし
高校はコースが違うため、
3年間同じクラスになる事はなかった。
もうこの傷は、
大和には知られず墓場まで持ってこうとしたのに…
玲於のやつ余計な事言いやがって。
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作者名:emirin | 作成日時:2017年5月4日 16時