＜文スト 短編集＞貴方と私は互いに深い愛に堕ちている

小さな事が大きな事になる <森鴎外> ページ33

りん様からリクエスト戴きました
ーーーーーーｷﾘﾄﾘーーーーーー

あぁ...私は見てしまった...

夫である森鴎外が女の人と一緒に歩いているのを...

まさか不倫!?

いや、あの人に限ってそんなことは...

それに私達には子供もいるし...


「お母さん...お父さんは...？」

「...大丈夫だよ、仕事だから...」


事実が分からない以上この子を心配させたくない




「今帰ったよ」


帰ってきた愛しかった人

「お帰りなさい...鴎外さん...1つ聞いても良いでしょうか...？」

「何かね？」

「最近帰りも遅く、あの子とも構っていません...それに、この前女の人と...」

「仕事だよ｣

「そんなっ...！だって...中原さんはもう貴方は帰ったって...！｣

「じゃあ...もう君には興味が無くなったと言えば良いのかな？｣


目の前が真っ暗になった

“もう興味が無い”

貴方から求婚したのに...

幸せだったのに...

怒りと憎しみが交じり、頭がおかしくなりそう

私は


包丁を持ち、鴎外に突き立てた



「エリスちゃん」


彼の異能力でエリス嬢がでてきた

その為私の刃は届かなかった


「...何してるの...？お父さん、お母さん...｣

「「っ...！？！」｣


子供が起きてきていた

見られてしまった

こんな姿...

見られたくなかったのに...


「A...君はどうしたい？｣

「できるなら...前のように戻りたいです...ですが...無理なのでしょう？｣

「否定はしないがね」


暫く沈黙が続く

それを破ったのは子供であった





「僕はお父さんとお母さんと一緒に居たいな」




その言葉は私達の心にあった闇を光にかえた


「っ...」

「...はぁ...確かに子どもが出来て別れるのは我が子的にも辛い...か...良いだろう、その願いを叶えよう」


彼に優しく包み込まれる

先程までのことが無かったかのように


「...有難う...」



今でも子供が言った言葉を忘れる事は出来ないだろう
ーーーーーーｷﾘﾄﾘーーーーーー
「リクエスト有難う...これからも宜しく頼むよ...」

小さな事が大きな事になる　<中原中也>→←小さな事が大きな事になる　<太宰治>

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