29. 確信犯？ ページ29
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ドライヤーが切れると
さっきまでの騒音が消えて
部屋には瞬く間に静寂が訪れた。
…えっと、今まで何話してたっけ。
この沈黙、なんか気まずい。
何か話題はないか。
思考を巡らせる私の頭が取り付く島を見つけるより早く
沖田くんが突然私へと顔を近づけてきた。
「えっ、ちょ…なに？」
端正な顔がじぃっと私を見つめる。
途端、それはすんすんと音を立てて
スッと通った鼻筋がひくひく動きだした。
あっそういえばまだお風呂入ってなかった…もしかして汗くさい？
何それ私めっちゃ恥ずかしいじゃん。
「…たばこ臭い」
「へ？」
「Aさん、たばこ臭ェ」
口をへの字に曲げて、なんとも不機嫌そうな顔で
私に向かってビッと指を差す沖田くん。
ああ…そういえば土方さん
私に説教してる時結構な本数スパスパやってたっけ。
「風呂入ってきなせェよ。てか、俺が野郎を思い出すから嫌。入れ」
「え？でも女風呂なんてないでしょ」
「今なら誰も使ってやせんよ」
「着替えなんて何も持ってきてないし」
「心配いりやせん」
すると沖田くんは徐に私に背を向けて押し入れに手をかけた。
ストンと開く襖。
…あれ、今なんか見えたけどアレは…。
なぜだろう、押し入れがすごく禍々しい。
あまり見ない方がいいかもしれない。
目のやり場に困っていると、
くるんと向き直った沖田くんの手には白いシャツが握られていた。
「隊服のやつだけど、着物よりマシだろィ」
「え、困らない？」
「替えくらいありやすよ流石に」
「…妙に準備がいいのね？」
「何のことで？
風呂場、なんもないんで石鹸類はこれ使ってくだせェ」
おそるおそる白シャツと諸々を受けとる。
白シャツは、アイロンこそかかっていないが洗剤の香りがする。
みると、シャンプーやらリンスーやら石鹸の類は彼が使っていたものらしい。
僅かに水気が残っている。
ふぅん、〇ンテーン派か…割とこだわってるのね…
「さぁ案内しやすよ行きやしょう」
「う、うん」
…なんだか随分と準備がいいな。
二人で暗い廊下を歩く。
隣の沖田くんをみやると、
心なしか勝ち誇ったような顔をしていた。
これはもしや…ハメられた？
いや、このドヤ顔は今に始まったことじゃない。
部屋に連れ込まれた時点で勝敗は決していたのだ。
「なんです？」
ニコニコと笑顔が顔に貼りついている
やはりその顔はどこか得意気だ。
ほわっと温かい蒸気が肌に触れる。
お風呂場は近いようだ。
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みけ(プロフ) - 笛さん» 毎度ありがとうございます＾＾ 沖田くんメインで書いてるので、銀さんには少々我慢して頂いてますｗ (2021年2月19日 21時) (
レス) id: 85e7eab2a4 (このIDを非表示/違反報告)
笛 - 今回の更新最高です！！！銀さんがかわいそうな気がするけどwwww (2021年2月19日 20時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» ありがとうございますっ！お待たせしております。ただいま予定が立て込んでますゆえ、もう少々お待ちください…！ (2021年2月10日 18時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)
笛 - 毎日寝る前に更新チェックしてます！！！！ (2021年2月10日 1時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» コメントありがとうございます！わたしの文章でそう感じていただけることが幸の極みでございます…！精進いたします！ (2021年2月7日 20時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人魚ちゃん | 作成日時：2019年2月14日 4時
