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15. カタギとヒモ ページ15

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皆さんこんにちは。

一文無し改め
真選組女中、Aです。

遂に手に職をつけました。


週に何日か顔を出すだけでいいという話だったけど
こんな生活立て直しのチャンスを私が見逃すはずもない。

ダメ元で交渉してみたら、近藤さんの厚意で
女中という身分を得た。


「Aさん手当してくだせェ。紙で指切りました」

「どう手当てすればいいのそれは」


といっても、ほぼ沖田くんの世話係である。
私が働き始めてからというもの
なにかとつけて彼は文字通り私に絡みついてくるようになった。

プライドがついに吹っ切れたのか
開き直った沖田くんにもう何も怖いものはなかった。
羞恥など初めから持ち合わせていなかったのような変貌ぶりだ。


「沖田くんは隊士なんだから
一緒に買い物まで付き合う必要ないんだよ?」

「見回りでさァ。真選組の縁者だと攘夷浪士に狙われることも多いんですよ
ボディーガードは必要です」

「口は上手いんだからもう」

「あれAと、総一郎君?…え?なに?新婚?」

「ほら言ったでしょ、こういう輩がいるんでィ。
安心して下さいAさん、すぐ終わりますから」

「ちょちょちょちょちょ総一郎くん俺だよ!銀さんだよ!!」

「総悟でさァ旦那」

「確かに…怖いね、輩」

「A?!お前が納めないでどうすんのコレ!」


首筋に刀を突き付けられる銀さんが必死の形相で此方に助けを求めてくる。

その顔、必笑。


「A!そんな顔何処で覚えてきたの!やめなさい!!早くこの子止めてェ!」


仕方なく沖田くんの腕に手を乗せて制止する。

すると彼は大人しく刀を収め頭を差し出してくるので
ふわふわと撫でてやる。


「いや御前すげーな、どういう手懐け方したのそれ」

「沖田くんはいい子ですよ
アラサーなのに定職にもつかずプラプラしてるヒモよりずっと立派です」

「なんだろう、凄く胸が痛い。
…ちょっと前まではおまえもコッチ側だったのによォ」


妙に銀さんが私をじっと見つめてくる。
その目つきには、あの時の銀さんのような色気が宿っていた。

ついあの日のことを思い出してしまう。

やっと忘れかけてきてたのに…。


「旦那、Aさんにちょっかいかけるなら俺が許しませんぜ」

「お前はセコムかよ。
じゃあ俺はそろそろ退散しよーかね」


"また遊んでやってもいいんだぜ"と
すれ違い様、銀さんは
私にだけ聞こえるように囁くと、どこか妖艶な笑みを浮かべて行ってしまった。

なんなのよ、もう…。



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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みけ(プロフ) - 笛さん» 毎度ありがとうございます^^ 沖田くんメインで書いてるので、銀さんには少々我慢して頂いてますw (2021年2月19日 21時) (レス) id: 85e7eab2a4 (このIDを非表示/違反報告)
- 今回の更新最高です!!!銀さんがかわいそうな気がするけどwwww (2021年2月19日 20時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» ありがとうございますっ!お待たせしております。ただいま予定が立て込んでますゆえ、もう少々お待ちください…! (2021年2月10日 18時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)
- 毎日寝る前に更新チェックしてます!!!! (2021年2月10日 1時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» コメントありがとうございます!わたしの文章でそう感じていただけることが幸の極みでございます…!精進いたします! (2021年2月7日 20時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:人魚ちゃん | 作成日時:2019年2月14日 4時

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