【銀魂】江戸に住んでもろくなことない。

1.　邂逅 ページ1

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清々しい天気。


「それでは皆さん,良い一日を！」

軽やかな声で結野アナが
今日も液晶越しに手を振っている。

平和なブランチタイムだった。

私は軽く朝ごはんをつまんで,
起きたばかりの心地よい眠気の名残に身を委ねようとしていた。





・・・・ううむ。

なんだか、
外が騒がしい。


酔っ払いの喧嘩にしては
時間が早すぎる。いや遅すぎる？逆に。

なんてったって
ここは江戸、かぶき町。

かぶき町といえば
酸いも甘いも覚えた大人が,
社会の喧騒から逃避する町。


こんな時間でも
通学路に立つ見守り隊のおじさんに
登校する小学生たちが挨拶をするような、
そんな平和な一コマよりも
1晩の快楽に人生を賭け、全てにおいて敗北し
不審者となった男が徘徊している方が目に付くのだ。


…のは,独り暮らし始めた頃よりは最近分かってきたつもりだったけど

なんだ、いつにも増して騒がしい。


「なんなの,こんな時間から...」


ガラッと窓を開けてみる。


「危ない！」
「お嬢ちゃん逃げろ！」
「死ぬぞ！」


「えっ…」


お嬢ちゃんって？…私？
死ぬってどういう……


「っ、え」



目に飛び込んできたのは、宇宙船。

それも とびっきり大きいの。


いや、船体が大きいというよりは

あれ、こっちに近づいてきてるんだ。



どんどん視界に宇宙船と形容されるソレが広がってくる。

鉄の塊が、どんどん迫ってきてる。



う、嘘でしょ。なんで、こんなことって、えっここ地球だよね？


逃げなきゃいけないんだろうけど

人間の危機管理能力って
たぶん、すこぶる馬鹿なんだろう。それか、どっかで私が忘れてきた。


自分の身に起きようとしている事に
あまりにも他人事で。

我に返った時にはもう、遅かった。



…しぬ。
ああ冥土の土産、なんにしよう…


ベッドの下のアレ、処分しとけばよかった。
あっでも家ごと心中するなら同じか。

あー。
夜に取っといたプリン、食べればよかった。

ばいばい私。ちゃんと成仏はしようね。




刹那、グイッと何かが私を引っ張った。

足が床から浮き上がる。



激しい衝撃、爆音。

でも痛みを感じない。


なにがおきた？



ゆっくりと目を開けると、

そこに広がった蒼空、


と、銀色に輝くフワフワの髪。






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