【文スト】 いただきます、したら 『うずまき』 にいました。 にっ！

その60　『わけのわからない世界（褒め言葉）』 ページ12

『ナオミちゃんっ！？』


「動かないで、 動けばこの女を切る」



目の前に座っていたナオミちゃんは女の子に捕らえられていた。



和装で二つ結びの少女

可愛らしい見た目にはとても合わない、鋭く光る物と、スイッチのような物が手に握られている



『なんなの一体…』


「私の目的は貴方を殺すこと」


『…は？』



小さな女の子がするとは思えない濁った瞳でそう私に言ってきた




「だから、 貴方ごとこの喫茶店を吹き飛ばす」




ぴっ、と無機質な音が響いた

どうやら何かのスイッチを押した音のようだ



ぴっ、ぴっ、と一定に刻まれる音の発信源を探すと黒い器械が視界に入った。




『嘘でしょ…？ これって…』



実物は初めて見た

これが本物の『爆弾』


見た感じ、素材はプラスチックで出来ているんだろう。

真っ黒な見た目は何処か不気味だった

想像はつかないが、多分私の飴玉とは桁違いの破壊力がある筈だ。




どうしよう


どうすればいい


どうすればこの最悪な状況を何とかすることが出来る？



混乱している頭を必死に回転させる




女の子に強い力で捕らえられているからか、ナオミちゃんは酷く怯えた表情を顔に浮かべていた



そんな事を考えている間にも爆弾のリミットは進み、気づけば残り一分を切っている。



ナオミちゃんはこの物語の登場人物

そんな彼女をこんな所で死なせる訳には行かない



というかそれ以前に私死にたくない！！

こんなわけわからない世界(褒め言葉)に来たんだから、せめてもう少し楽しんでから死にたい！！





『ごめんなさい！！！』






そう考えたときには









すでに和装の女の子の胴体を思いっきり蹴飛ばしていた。

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