真っ白なメモ帳 ページ3
魔法学校シエル学園で、1月に始業式を迎え、私ルビー・モーリスは晴れて高等部に進級となった。高等部1年になり、そろそろ騎士団か、他の職か、どちらの道に進もうかと考え始めた。その時、私は夢だった騎士団の活躍を記事にすることに魅力を感じ、その道に進むことに決めた。
「それは良かったんだけど、何をしたらいいのかな」
澄み切った空の下で、私は憂鬱なため息を吐く。記事を書いたりとか、私の将来に役立つスキルを上げときたい。私のメモ帳に書かれている情報はどうでもいいものばかりで溢れてる。
何かメモすることはないかと考えていると、中庭の薬草がある場所から声がした。そっと覗いてみれば保険医のレイキ・ライカ先生だった。
少し長めの黒髪と茶色の瞳に黒ぶちのメガネ
、白衣を着こなす明るくて優しい先生だ。
「こんな所に、なんで皿？」
「何しているんですか、先生」
「ああ、ルビー、見てくれ薬草を採取しに来たんだが、割れた皿が」
「割れた皿……？何か秘密が……！？」
「特にないと思うぞ」
レイキ先生が指さしたのは奥の草影で、私は覗いてみる。みると、確かに割れた皿がそこに放置されている。
「怪我人がいないといいんだけど。」
「そうですね。危ないので私、片付けておきますよ。先生は仕事を」
「そうか？頼んだ」
私は面倒くさいことはあまり引き受けたくないが、今回は違う。レイキ先生は特にないと言ったけど、何か秘密が隠されている可能性はあると思う。落し物届け以外で使わない、私の魔法の出番がやってきた。
「いい情報があればもうけ物だけど……」
私は物体に魔法をかけ、持ち主の記憶を探ってみる。最初は音だけ、だんだん頭に映像が流れてきた。パシャッとこの皿が落ちて割れた音がし、少年が拾おうとしている姿がそこにある。
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作者名：MIO | 作成日時：2020年1月7日 19時
