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♯26 ―star ページ26

「未朝。そのばんそうこう…。」
「あ、これ?昨日料理やったらきっちゃった。」


「未朝。その痣…。」
「いとこと喧嘩したの。聞いて、私のいとこ、急にキレだしたの!」


「未朝。上履きは?」
「え?…んあ、洗ったの。墨ついちゃって…。」


「未朝。部活の靴は?」
「穴あいちゃって…。今度買ってよぉ。」


未朝の態度がどんどん冷たくなっていったのは
表にいじめが分かるようになったころだった。


それでも、私は気付かなかった。








ある日のこと。

未朝がいじめにあってから何日たっていたのかは分からない。


昼休み、未朝に呼び出された私は屋上で未朝を待っていた。


未朝はその3分弱後に現れた。

「どうした?」
私が聞くと未朝は俯いていた顔をあげた。


悪意のこもったというか殺気のこもった未朝の瞳。
今でも脳裏に焼き付いている。

そして、未朝は言った。


「あんたが…走るからいけないのよ!」


意味が分からなかった。理解できなかった。
どうしていいのか分からなかった。未朝の真意が分からなかった。


「きゅ、急にどうした?」

「あんたなんか陸上やめればいいのよ!あんたなんか走れなくなればいい!
 走れなくなっちまえ!」

「…み、あさ?」

「二度と、トラックを走るなッ!」


未朝はそれだけ言って去っていった。
置き去りを食らった私。
どうしていいのか分からなかった。
引きとめたほうがいいのか反論したほうがいいのか意味を聞いた方がいいのか…。


そう、今思えば引き留めるべきだった。
言いだした理由を聞くべきだった。
話合うべきだった…。

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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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