黒鍵の曲譜

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駐車場には二人の靴音しか響かない
ちょっとくらい何か喋ってくれよと思う

バーボン「この車ですよ、どうぞ乗ってください」

車のことは知らないけど白くて案外いい車に乗っているなと感心する

A 「いい車ね
価値はわからないけれど」

バーボン「ありがとうございます」

ニコッと笑う姿にちょっとだけどきっとした

バーボン「自宅の住所教えてもらうってもいいですか？」

私は、住所を教えた

滑らかに車が走り出した

きっとカーチェイスとかやったらうまそうだなと思った

A 「なんで、組織に入ったの？」

バーボン「あなたは、僕に組織になんでいるか聞かないでと言ったのに人には聞くんですか？」

あげ足を取られてしまった

A 「悪かったわね、別にいいわよ」

バーボン「いえ、お教えしますよ
ただお金が欲しかっただけですよ」

嘘だ、直感でそう思った
やっぱり本心が読めない
お金欲しいならもっと危なくない仕事があったはずだ
いい顔してるんだから、例えばホストとか
でもこれ以上は何も聞かないことにした

A 「そう、お金が欲しいんだ
もう何も聞かないで黙っておく」

バーボン「そうですか」