50話 ページ10
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重岡『今夜行く』
そう連絡が来たのはあれから約1ヶ月ほど経った頃だった。
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重岡「よ」
久しぶりに会った重岡はなんだか普通で。
拍子抜けしたのと同時に安心した。
「なんやめっちゃ久しぶりな気せえへん？」
重岡「わかる、たかが1ヶ月会わへんかったくらいやのにな」
「10年と比べたら一瞬なのにおかしいよな」
きっとそう思ってしまうのは、重岡が特別な存在になったから。
それがわかるくらいには自分の気持ちを自覚したのに。
重岡「なあ、この前のアレ、忘れてええよ」
これからも親友な！なんてケラケラ笑って 1人で喋りつづけてるから。
………なんやねん。
「…忘れてええよ、ってなに？」
重岡「ん？」
「あの日からずっと考えてたんやで？」
重岡「え、怒ってる？なんで、怒らんといてや」
最初はヘラヘラしていた重岡だけど、黙っているうちに どんどん笑顔が消えていって。
重岡「えっと…せやからこれから先も変わらん関係でいてほしいって、」
「なんでやねん、それやったら一生気持ち隠し通してたらよかったやろ…っ！
なんでポロっと言うてん、なんで、なんで…」
思わず声を荒げていた。
重岡「…ごめん」
小さな声で謝った重岡を見て余計に辛くなった。
「…そっか、私ばっかり真剣に考えてたんやな。
重岡がアイドルやから、私の隣には重岡がおらなあかんなって そんな気持ちだけでどうにかできることちゃうって、生半可な気持ちやったら自分も重岡も傷つくって、
重岡の今まで積み上げてきた努力の邪魔したくないからって、毎日毎日悩んでた時間、無駄やったんや。
考えに考えて、好きやって気づいた気持ち、どうすんねん…っ」
言ってしまった。
言いすぎてしまった。
少しだけ冷静になって、重岡を困らせていることに気がついた。
きっとあの時口走ってしまった告白を アイドルとしての重岡が後悔したんだ。
今までの関係でいた方がリスクが少ないと判断したんだ。
……やっぱり私、気づくべきじゃなかったんだ。
私の家だけど、ここにいたくなかった。
「…ごめん、言いすぎた。頭冷やすわ」
財布と携帯だけを持って玄関へと向かった。
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ひのりーる(プロフ) - ジャスてぃすさん» 作者解説まで！最後までお読みいただき感謝です。嬉しいお言葉ありがとうございます、次回作しばしお待ちいただけたら嬉しいです！ (2020年7月13日 20時) (
レス) id: 334deb90dd (このIDを非表示/違反報告)
ジャスてぃす - すっごく面白くて最初から最後まで一気に読みました！頭の中で想像しやすく読みながらニヤニヤしちゃってました。作者解説も楽しく読ませてもらいました！次回作も楽しみにしています。 (2020年7月13日 10時) (レス) id: 9e9693ea2c (このIDを非表示/違反報告)
ひのりーる(プロフ) - はーとさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を噛みしめ今後も頑張っていきますので次回以降もぜひ読んでいただけたら嬉しいです！ (2020年7月10日 0時) (レス) id: 334deb90dd (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - 凄い久々にこんなにハマるお話読みました。素敵なお話ありがとうございます。これからも楽しみにしてます。 (2020年7月8日 1時) (レス) id: 44f8d99200 (このIDを非表示/違反報告)
ひのりーる(プロフ) - 重岡だぃきさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ次回作も読んでいただけたら嬉しく思います。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 334deb90dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2020年6月22日 20時
