51話 ページ11
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重岡「待って、」
掴まれた腕。
「離して」
重岡「離さへん」
「…今顔見たくないねん、離して」
重岡「嫌や」
「やめてってば！」
振り払おうとしてもほどけない。
振り向くと悲しそうな重岡が私を見つめていた。
重岡「そんなに 真剣に考えてくれてたなんて知らんかってん、ほんまごめん」
「…ごめんなんて聞きたくないやめて」
重岡「俺はさ、」
「やめて…っ」
アイドルとしてのその立場を守るために 私のことを切り捨ててくれればいい。
ずっと隣にいてほしいなんてそんなことを思ってしまった自分を責めた。
「重岡のこと、守るために 好きやなくなりたいねん。おねがいやから離して」
自分でも声が震えているのがわかる。
重岡「離さへんって言うてるやろが…っ！！」
……どうして私が怒られなくちゃいけないの。
………どうして。
……………どうして私は今、重岡の腕の中にいるの……？
重岡「俺があんなこと言うたから、困らせてしまったんやなって。言わんかったらよかったって。ほんまに脈なしやったんやって。しばらく会わんかったら気持ち落ちつくかなって思っててん」
耳元で重岡の声が聞こえる。
「…だから最近来なかったん」
重岡「でも1ヶ月会わんかったくらいで落ち着くわけないねん、10年会ってなくてそれで落ち着いてへんのやから当たり前やんな。気づかへん俺もアホやったわ」
優しい声。
「…ほんまやね」
そっと腕の中から解放されて。
重岡「なあ、Aも俺のこと、好きやって思ってええの？」
すぐに返事はできなくて。
…私がアイドルとしての重岡の人生を邪魔してしまうかもしれない。
両思いは喜べることではない。
返答に困っていた。
重岡は、そんな私を見て優しい笑顔で笑った。
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ひのりーる(プロフ) - ジャスてぃすさん» 作者解説まで！最後までお読みいただき感謝です。嬉しいお言葉ありがとうございます、次回作しばしお待ちいただけたら嬉しいです！ (2020年7月13日 20時) (
レス) id: 334deb90dd (このIDを非表示/違反報告)
ジャスてぃす - すっごく面白くて最初から最後まで一気に読みました！頭の中で想像しやすく読みながらニヤニヤしちゃってました。作者解説も楽しく読ませてもらいました！次回作も楽しみにしています。 (2020年7月13日 10時) (レス) id: 9e9693ea2c (このIDを非表示/違反報告)
ひのりーる(プロフ) - はーとさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を噛みしめ今後も頑張っていきますので次回以降もぜひ読んでいただけたら嬉しいです！ (2020年7月10日 0時) (レス) id: 334deb90dd (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - 凄い久々にこんなにハマるお話読みました。素敵なお話ありがとうございます。これからも楽しみにしてます。 (2020年7月8日 1時) (レス) id: 44f8d99200 (このIDを非表示/違反報告)
ひのりーる(プロフ) - 重岡だぃきさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ次回作も読んでいただけたら嬉しく思います。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 334deb90dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2020年6月22日 20時
