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【灰色】
ものを燃やしたときに出る灰のような色。黒と白の中間色として呼ばれるが普通は若干の色味をもつ。
艶のある綺麗な色をなびかせて、もくもくと肉を焼く。七輪の下からもう少し焦げ汚い灰が上がっている。濃いめのアイメイクにはキラキラがたくさん。今話題の、夜の街・東京にも光の一つとして溶け込みそうなくらい。
「んな見られても、何も出ないよ」
「俺の自己満足だからいいの。(肉)焼けた？」
彼女は、列記とした、ギャルだ。
「そう。焼けたよ」「いただきまーす」
綺麗でカジュアルなスーツに身を包み、高いヒールを鳴らす彼女。耳たぶにあるたくさんのホールに小さな輝きがそれぞれ。右耳の一番下、髪の毛を下ろしても見えるところに俺があげたやつ。
「ビール(飲む)？オススメはこれなんだけど」
「Aのオススメでいいよ」
「ん。すいませーん、」
ギャルとアイドル。禁忌のかたまりみたいなことをしている。そもそも、女とふたりで七輪を囲む、この状況すらこちらの世界的にはタブーだ。
「ニヤニヤしてると焦げるよ」
「ちょ、おい、それ俺のタン」
ボーっとしてるから。普段からいい肉食べてんでしょ。そう文句を溢したと思えば、ふわっと笑って。口一杯に詰め込んで、気がつかないくらいに小さく、でもわかりやすく目を輝かせる。
「自分で焼いた方が美味しいよ」
「Aが焼いたから美味いんだって」
人使い荒いな。仕方ない焼いてあげよう。
対して喋り方に癖があるわけでもなく、ギャルと言ったって社会人だから敬語でも喋れるし、Aは引くほど人柄が良い。
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有岡くんと七輪囲みたいだけのオタク。
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作成日時：2020年10月25日 12時
