見られることは ページ3
二人で遠い目をしていると、マネージャーの森本さんから電話がかかってきた。
実はさっき、URLをトークアプリで送っていたのだ。
「もしもし、Aです」
『メリプロの森本です。さっき急にURLが送られてきたから見てみたけど、ヤバいもの見つけちゃったいましたね』
「今、お兄ちゃんの夢小説も見つかったところです。なんとびっくりB L小説もあるですよ」
『一応、そのURLも送ってくれますか?』
「すぐ送りますね」
電話を切ったあと、私はすぐにURLを送る。
「俺からも古川さんに連絡しとこうかな」
古川さんとは、兄のマネージャーさんだ。
こうして私たちの夢小説は、事務所で取り上げられて問題になり始めた。
そして私は、男性恐怖症になって男の人に見られるのが怖くなった。
あの人が私の夢小説を書いたかもしれない。
あの人は私の夢小説を読んでいるかもしれない。
あの人は私の夢小説を書き始めるかもしれない。
自意識過剰と言われてもいい。
もう、アイドルとしてステージに立つのが怖い。
人に見られるというのがこんなに恐ろしいことだなんて。
SNSの更新をしないでいたら、YouTuberの友達からメッセージがきた。
キャンディ最近更新ないけどどうしたの?
A実はね、私の夢小説ってのを見つけて…
キャンディえ、そんなんあるの?
URL送れる?
Aわかった
キャンディ今見てきたけど、あんなん読んだらショックだよね
てかさ、うちの夢小説もあったんだけど
Aやばいね
キャンディうん、事務所に相談する
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作者名:アスピリン | 作者ホームページ:
作成日時:2023年7月1日 22時