本物の弟 ページ14
私…何かしたっけ…
そう思いながら着いていく。
庭の途中でイデアくんは足を止め、口を開いた。
イデア｢…A…オルトのこと聞いたんだよね｣
A｢っ…｣
やっぱり聞かれたくなかったのかな…
でも何で知ってるの…？
…ふと、オルトくんの言葉が蘇る。
｢兄さん、1階の倉庫に行くって言ってたよ！｣
1階。
…そうか。あの時イデアくんは1階に来たんだ。
それで話しているのを聞いた。そういうこと。
物凄く悲しそうな表情のイデアくんを前に、
咄嗟に出てきたのは謝罪の言葉だった。
A｢…ごめんなさい……聞かれたくなかったことを…無断で聞いて｣
どんな怒りの言葉が返ってくるだろう。
失望かも知れない。
…だが、返ってきたのは意外な言葉だった。
イデア｢A、Aは悪くない！だから…顔を上げて｣
A｢…｣
イデア｢むしろ僕が謝りたくて呼んだんだ。ごめん、隠してて｣
A｢え…｣
イデア｢…オルトが死んじゃったのを思い出したくなくて言わなかったのもあった。…でも｣
A｢でも…？｣
イデア｢それより…ロボットを弟なんて呼んで、死んだ弟の代わりにしてるってことに失望されたら…｣
A｢そんな訳ない！！｣
思わず大きな声が出た。
イデア｢…A？｣
A｢失望なんてしない。それに、今のオルトくんだって…前のオルトくんの代わりなんかじゃない｣
イデア｢…でも｣
A｢さっきオルトくんの頬っぺた触った時ね、温かくて柔らかかったの。…人と全く同じように｣
イデア｢…｣
A｢その上、イデアくんのこと兄さん兄さんって慕ってるじゃない。代わりとかじゃない、正真正銘の弟よ！｣
イデア｢A…｣
A｢イデアくんに作られたとはいえ、オルトくんは本物の弟だから｣
イデア｢……ありがとう、A…｣
A｢はっ…私何でこんな熱くなって…え、イデアくん！？｣
イデアくんは、昔のように泣いていた。
イデア｢…A、オルトのこと受け入れてくれる…？｣
A｢当たり前よ！オルトくんはイデアくんの弟。最初からそう思ってるよ｣
イデア｢…過去を知っても？｣
A｢当然。だから安心して？…さ、落ち着いたら戻ろっか！｣
イデア｢…うん…！｣
泣くイデアくんの背中を撫でながら、
私は何となく懐かしい気持ちになった。
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橋本アリィちゃん - 初コメ失礼します！とても面白かったです！もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2022年9月22日 13時) (
レス) @page21 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - ゑ、好きです (2022年5月25日 11時) (レス) @page20 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 私イデア一推しなんです！嬉しいです。ありがとうございます。続き待ってます！！！ (2021年11月25日 17時) (レス) @page21 id: c9bcda61dc (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - イデア好きだからほんとに嬉しいです！！ (2021年11月20日 1時) (レス) @page21 id: 679ca7ee4a (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - ドストライク過ぎて涙が…作者さんマジで天才…これからも応援してます (2021年10月25日 20時) (レス) @page21 id: 2f3c4feebc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chiffon | 作成日時：2020年12月3日 10時
