・ ページ7
・
「初めまして、Aさん」
『ナワーブさんですよね、自己紹介は必要ないです』
「それならよろしくな」
『よろしくする気は無いですね、残念ながら』
その発言で、騒がしい程の部屋が静まり返った。
ナワーブは苦笑いをして私の前を去る。人の信用というものはすぐに変わるものなんだなとしみじみ感じる。
「さ、食べましょうか」
「肉は頂いたぜ！！」
『行儀悪い』
エミリーさんが食事の合図をすると同時にカウボーイ、オフェンスが肉の取り合いをする。分け合うという選択肢はないのだろうか？
本当に行儀が悪い。ああいう奴等は基本嫌いだ。
そんなことを考えながらパンを口に運ぶ。柔らかくもないが、硬くもない。此処の食事は何処からか供給されているのだろうか。それとも材料を貰い、そこから作るのだろうか。
衣装、道具などもそうだ。パンが柔らかくないところから考えると、何処からか供給されている確率の方が高い。
「なーに考えてるの？」
『…確か…エマ。食事について考えてただけだよ』
「へぇ…じゃ、じゃあまた後でなの」
『…うん』
彼女のたどたどしい口調から、きっと私のことが苦手なのだろう。別に嫌ってくれて構わないが。
元から少食な為、すぐに食事は終わった。
『じゃあ…先に部屋に戻るから』
「ええ、わかったわ。ゆっくり休んで頂戴」
優しい笑みを浮かべるエミリー。だが、何処か違和感を感じる。これも私のことが苦手な証拠だろう。
足元を見ながら部屋へと戻る。足元を見て歩く癖がある為、よく猫背だと言われる。まあ、どうでも良いことには変わりないのだが。
『白黒無常…か。…明日、ハンターのところに行くしかないか』
溜息を吐く。
今日は疲れた。何もする気がない。今日はもう寝るとしよう。
部屋に置いてあったパジャマのようなものを着て、歯磨きを済まし、ベッドに潜る。お風呂は明日の朝にしたら良いか。
力を抜くと同時に、眠りについた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
篝雫ーカガリシズク(プロフ) - 拝見させていただきました！ ちょっと悲しい終わり方でしたけど、だからこそ心に残るお話でした。紹介していただいた側なので言いにくいのですが、最終話の前のページで、生きる意味がなくなっただと思うのですが、生きる意味がなくなたとなっていました。 (2019年3月24日 7時) (
レス) id: 5ea8d5ec76 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - なんて言ったらいいかわかんないけどこれだけはわかる、神小説 (2019年3月14日 2時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
Trick - 1日?見てないだけで、完結したからびっくりして、読んでみたら、ちょー悲しくなった人である。悲しいが、楽しんで読むことが出来ました。次の作品も楽しみにしています。できれば、ここでなかったハッピーエンドでお願いします。 (2019年3月4日 21時) (レス) id: e10fe6505d (このIDを非表示/違反報告)
ねこくりーむ(プロフ) - ご完結、おめでとうございます。短い間でしたが楽しませていただきました。夢主ちゃん…最後は存在価値がないと思い込んでしまったんですね。次回作も楽しみにしています。 (2019年3月4日 15時) (レス) id: 6df21e2fd3 (このIDを非表示/違反報告)
るびぃ - それとイライ君のキャラが好きです。面倒くさがり屋って良いですね…(´･Д･)更新頑張ってください！！ (2019年3月2日 19時) (レス) id: 71a9b12fca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒鞠 | 作成日時：2019年2月20日 16時
