おやすみ ページ36
ナワーブの休憩も兼ねて、今日は人生初野宿をすることになった。
とは言っても必要最低限のものしか持ってきていないから馬車の中で眠るだけなんだけど。
イソップ｢懐かしいですね、お嬢様と眠るのは｣
｢小さい頃はイソップが寝かし付けてくれてたもんね｣
イソップ｢そうですね。あの頃のお嬢様も麗しくて麗しくて...｣
...なんか泣き始めた。
確かにイソップにはたくさん甘えた記憶あったなぁ。寝る前の絵本をせがんだこともあったっけ。
ノートン｢可愛い。これからは僕が寝かし付けてあげるよ｣
｢うわっ、起きてたの！？｣
隣に座っているノートンが私の肩に寄りかかってきた。ドクン、と心臓が波打つ。
ノートン｢5年間、ずっとAのこと考えてた。Aは僕のことなんてどうでもいいと思ってたから、僕も忘れようって思ってたんだけど...無理だったね｣
｢...うん｣
ノートン｢離れてても君を愛してた。誰のものにもさせたくなかった。__君は僕で良かった？｣
｢...｣
私はかけられた毛布に顔を埋めてノートンから見られないようにする。
｢...ノートンが好きだから、これでいい｣
そう言うと、ノートンは小さく｢ふふ｣と声を漏らした。
ノートン｢ありがとう。直接聞けてよかった｣
ノートンはそのまま手を私の手に重ねる。
ノートン｢手、繋ぐ？｣
__さっき断ったばかりでしょ。
そう言おうと思ったけれど、また同じ返事をするつもりはなかった。
｢繋いで寝よ｣
ノートン｢...うん｣
しっかりと握った手。
振り払わずに握るのは初めてかもしれない。
ノートン｢おやすみ、A｣
｢おやすみなさい｣
指と指が絡まって、ノートンが"ここにいるよ"と言っているようでひどく安心する。
__この愛は裏切りなんかじゃなかった。
もう二度と離したくないのは私も同じだ。
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怜(プロフ) - やりmathねさん» ありがとうございます...！！なんだかちょっとロマンチックな感じにしたくて...。何度も読み返していただいて嬉しい限りです...！ (2021年8月18日 15時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
やりmathね(プロフ) - しごできイライくんと登場がかっこよすぎるノートンキャンベルの場面が個人的にしんどい(LOVE)ポイントでした………ほんとに何回も読み返してしまうくらい大好きです！！！！ (2021年8月5日 3時) (レス) id: 320b0aeb3e (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - なななさん» なななさん....！ここまでありがとうございました！何度も読み返してもらえるなら書いた甲斐があったと強く感じます！こちらこそこれからもよろしくお願いしますね...！ (2020年4月1日 1時) (レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - 完結おめでとうございます!!ラストめちゃくちゃキュンキュンしましたあ!!これからも応援しまくります!!!!本当に素敵な小説です!!たまに読み返すかも、、、w本当にありがとうございました！ (2020年3月31日 19時) (レス) id: 4864b12ecf (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - erysiaさん» ありがとうございます！その言葉が今後も励みになります...！こちらこそこの作品を見つけていただきありがとうございました！これからもよろしくお願いします...！ (2020年3月26日 8時) (レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2020年1月26日 11時
