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最近木兎さんの彼女が亡くなったらしい。
最後、帰り道で木兎さんと別れた後急な心肺停止で亡くなったらしい。
原因は不明だ。
木兎さんにとって彼女さんの存在はでかかったみたいだ。
彼女が亡くなってから木兎さんは変わった。
みんなを照らしたあの笑顔はどこか寂しくて。
時折見せる横顔は…彼女さんを思うとても綺麗な横顔で…
木兎さんと彼女さんの関係を記しているような何とも言えない表情だった。
きっと2人は、2人で1つくらいの関係を気づいてきたんだろうな。
お互いがお互いを必要としあってきたんだろう。
副主将として俺に出来ることはなんだ。
いや考えるべきはそうじゃない。
俺はただ…ただ
貴方があの輝かしい笑顔で、空中で舞い戦ってるところが見たいんだ。
そして俺はそれを少しでもサポートしてあげたい。
いつしか木兎さんの彼女に会ったことが会った。
購買の前の自販機だっけ、
「あっいつも光太郎が言ってるあかーしくんだ!」
一目見てすぐ分かってしまった。
あかーしって言うイントネーションは勿論だけど、笑顔とか会話の間とか仕草とか…全てが木兎さんと重なったから。
「木兎さんの彼女さんですよね。木兎さんもいつも彼女さんの話楽しそうにしてますよ。」
俺がそう言うと彼女は木兎さんと似た輝かしい笑顔でこう言った。
「えへへ光太郎はさ私が居ないとダメなんだ〜!だから私も光太郎を支えてあげるの!」
支えてあげるか…
きっと彼女さんは亡くなったけど木兎さんはまた飛んでくれる。
そう信じてる。
だからその時までは────俺も精一杯木兎さんを支えよう。
俺にそう思わせた彼女の笑顔はまさに名前の通りだった。
木兎さんの彼女の名前…それは…
光崎 向日葵
向日葵のような彼女の笑顔はどこか木兎さんと重なり合う。
暑い夏でも上を向き続けるところ。
気づけば大成長していること。
屈強なところ。
全てが────
木兎さんにまたそんな笑顔で飛んで欲しくて、また今日も俺はこう言う。
「木兎さん、自主練しましょう。」と。
かつては木兎さんが誘ってくれたように。
──── 舞いあがれ────
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作者名:雪セツ | 作成日時:2020年11月23日 2時