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「僕はずっと、君たちのような革命児が現れるこを待っていたんだ」
「……どういうことだ?」
「若い子は、せっかちでいけないね。すぐに答えを求める、結論を急ぎすぎる。もっと、エレガントに振る舞うべきだよ。とはいえ、ゆっくり寛ぐつもりはなさそうだし……仕方ないから、単刀直入に用件を述べようかな?」
いや〜な予感
「とりあえず、『Trickstar』は解散しなさい」
「……!?」
『やっぱりか……』
「何だそれは、強権発動にも程がある!生徒会に逆らったものは問答無用で潰す、ということか?『ユニット』を無理やり解散させるなど、そんな権利が生徒会にあるのか?断固抗議する!」
「そうだよ、俺たち『Trickstar』はまだ生まれたばかりの、『これから』の『ユニット』だよ!ここで解散なんてできないよ!」
「敬語で喋れ、貴様ら。いちおう、こちらは上級生だ。とはいえ。俺もその言い分はどうかと思うぞ、英智?」
あの敬人先輩がこちら側に肩を持つなんて……珍しい
「昨日のドリフェスで『Trickstar』が生徒会を倒した、という事実は学院こ内外に知れ渡っている。こいつらは、『英雄あつかい』をされているのだ。ドリフェスで勝てなかった腹癒せに、生徒会が強制的にこいつらを解散させた……などという構図になれば、恥を上塗りするだけだ。生徒会への不信感が高まり、第二・第三の英雄を誰もが待望し、生徒会の権威は瓦解する」
一理ある……というか、解散の話だけなら私とあんず先輩要らなくない?Trickstarをおびき寄せる為だけの餌なら帰りたいんだけど
「その場しのぎにもならん、考え得るかぎり最悪の『やりくち』だ。こいつらは、ドリフェスで正々堂々と生徒会が倒す。そうでなければ、名誉挽回はできん。無理に解散させても、すこし気分が晴れるだけで、総合的に見て損だ。死者こそ英雄なり、伝説になる。『Trickstar』を解散させることで……逆にその名声は高まり、成し遂げた奇跡には尾ひれがついて、手がつけられなくなる。それだけは悪手だ、英智。度し難い」
「ふふ、敬人は優しいねぇ。自分を不意打ちで倒して恥をかかせた憎たらしい子たちを、庇ってあげるんだね?」
それはどっちかっていうと……零お兄ちゃんのせいじゃ……
「べつに、『Trickstar』を庇っているわけではない。総合的に見て、俺たち生徒会の利にならないと判断しただけだ」
「わかってるよ。安心して、ちゃあんと考えてる」
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作者名:ポン酢 | 作成日時:2021年2月17日 22時