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「練習から抜けだして、どこへ行ったかと思えば……。また女漁りかい、飽きんのう。おぬしは、大概にせいよ?まぁ、おぬしなら『ぶっつけ本番』でも大丈夫じゃろうがのう〜?」

「そうそう、練習なんてテキトーでいいじゃん。楽しくやろうよ!いつになくやる気になってるよね、朔間さん。俺はそういう暑苦しいノリ、あんまり好きじゃないんだけどな〜?ていうか、どうして噂の転校生ちゃんを二年生の『ひよっこ』どもにあげちゃったわけ?ちゃんと確保しといてよ〜、俺のやる気が駄々下がりなんだけど!まぁ、でも収穫あったしいっか♪」


そう言いながら私にウィンクする薫先輩


「この子は駄目じゃ、薫くん」

『わっ』


薫先輩に掴まれてた手を解き零お兄ちゃんに引き寄せられる


「我輩の可愛い可愛い妹だからのう」

『お兄ちゃん……』

「え!?やっぱり朔間さんの妹なの!?苗字からしてそうかなって思ったけど!!」

「一週間後の『S1』には、外部からも客がくる。つまり、たくさんの一般人の女の子もくるわけじゃ。その子らをおぬしのファンにするため、みたいな方向でやる気をだしてくれんかのう〜?」

「う〜ん……。そっちはそっちで魅力的だけどね。まったくもう、朔間さんにはかなわないな〜?まぁいいや。転校生ちゃんに唾をつける機会はこれから先、いくらでもあるだろうし?今日のところは、Aちゃんに免じて勘弁してあげよう!」


なんで私?


「けど練習はパスね、これからデートの約束があるから。ばいば〜い♪」

「……逃げよった。まったく、名前のとおり薫風のごとき男じゃのう?」

『デートの約束あるのに私をデートに誘ってたの薫先輩……』


相手の子に失礼だよ


「う〜む。薫くんの練習嫌いは深刻じゃのう、やればできる子なのじゃが……Aも誰であれ迂闊に近付くではないぞ?男はみな狼じゃからのう」

『は〜い』

「おや。おぬしは、たしか『Trickstar』の一員じゃったかの?」

「あっ、はい。先週は特訓に参加できず、すみませんでした!」

「我輩に謝られてものう。そういうのは、おぬしの仲間たちに言ってやるとよい。どうじゃ、『Trickstar』の調子は。ちゃんと練習しとるのかのう?」

「そりゃもう。これまで見たことないぐらい、どいつもこいつもやる気になっちゃってますよ。俺も、負けてらんないな〜って感じ♪」

「そうかそうか、若い子は元気がよくて羨ましいのう。薫くんにも、そのやる気を分けてやってほしいぐらいじゃよ?」

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作者名:ポン酢 | 作成日時:2021年2月17日 22時

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