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「あんたが、真とどんな関係なのか知らないけど……。わかったようなこと、言うなよな？こいつは努力してる。足りないところがあったとしても、俺たちが埋めてみせる。真は『きれいなお人形』なんかじゃない、人間として生き始めたんだ！それを邪魔すんなよ！」
「……衣更くん」
「ふぅん。暑苦しいねぇ、鬱陶しい。努力とか、情熱だけで渡っていけるほどアイドル業界は甘くないよ？現実は冷たくて、数字が支配していて、心はすぐに壊れる。それを思い知って、さっさと戻っておいでよ。いつでも大歓迎だからね、ゆうくん……弟みたいに思ってたのに」
そう言って泉先輩は防音練習室を出ていった
言い方はあれだけど真先輩を気にしてる、というか心配してる……？
「泉さん。あぁ言いたいことだけ言って、行っちゃった……？何なの、あのひと？けっきょく何が目的だったの？」
「よくわからんけど。まぁ、『Knights』は『S1』には参加しないみたいだし。俺たちの敵ではないはずだ、味方ともいえないけどな。余計なことを、気にしてる場合じゃないだろ。俺たちは、できることを精一杯にがんばろう。泣いても笑っても、『S1』は一週間後に開催される。そこが、俺たちの正念場になる。その大舞台で、おまえの選んだ人生が『まちがい』なんかじゃないって証明してやろうぜ。なぁ、真？」
「うん！そうだね！！」
「さて、と……待たせて悪いな、転校生、A。帰るぞ」
「あ、うん」
『あ！私は大丈夫！！』
「はぁ？何言ってんだA。いくら夜からがおまえの時間でも帰んないと凛月が心配するだろ？」
『あはは〜！お兄ちゃん達が心配するなんて有り得ないって！あったとしたら私が日中活動してたらだよ〜！それに、私も今日から隣の防音練習室借りてるんだ！』
「え！？」
「おいおい……」
『私もやること沢山あるし家に帰る時間勿体無いから借りちゃった♪あんず先輩のお手伝いも出来るし！』
「じゃあ、Aちゃんは隣の防音練習室に泊まり込みなの！？」
『はい！あ、真先輩！練習見てほしかったらいつでも呼んでください〜！アドバイス程度なら出来るので！』
「ほんと！？ありがたいなぁ〜！」
「はぁ……凛月が知ったらどうなることやら……」
『あんず先輩！残りは私がやっとくので気をつけて帰ってくださいね！』
「1人で大丈夫？」
『大丈夫です！日中動けない分頑張るので！』
「じゃあ、お願いね？Aちゃんも無理しないで」
『はい！』
さ〜て、頑張ろ♪
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作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年2月17日 22時
