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「なにこれ……」
「凄い……」
雷門イレブンも充分強いはずだけど……フィフスセクター相手だと……
『仕方ない、か』
試合再開して剣城は1人でゴール前まであっさりたどり着き技を出した
それに対抗してキーパーも技を出すが為す術なく
『ん〜……』
ボクなら止めれるけども……
その後も点数を入れられるだけで雷門イレブンは1点も取れていなかった
「このままじゃ雷門が……なんとかしないと……監督！このままじゃ先輩達が！」
松風が突然監督の元に寄ってきた
あんな試合見てたら居てもたってもいられないよね
「なんとか出来ないんですか！？監督！」
「なんとかするのは監督ではない」
「？」
「選手だ」
「選手？」
「松風天馬」
「はい」
「予備のユニフォームを着ろ」
『え？』
試合に出させるの？
「えっ？」
「入部希望じゃなかったのか？」
「はい、そうですけど」
「お前を試す」
急だな
「選手交代！南沢篤に変わって松風天馬！」
「え？ええぇえ！？」
『えっ、FWに……？』
「無茶です。こんな試合で彼を試すなんて」
1人でドリブル練習はしてたって言ってたから試合自体も初めてだよね？ルールとか流れとかは知ってるだろうけど……
「何を考えているんですか！？彼はまだ入部手続きも終わってないんですよ！？」
「音無、お前はさっきのあいつを見て何も感じなかったか？」
「え？」
「剣城に1人で立ち向かった松風の目はどこか似ているんだ。あいつに」
「……円堂さんですか？」
円堂って円堂守……？
『……化身』
「……」
『監督は気付いてますよね？』
監督に視線を向けると監督もボクを見ていた
『まぁ、まだ無理ですけど……ちゃんと教えれば出来ますよ』
「詳しいな」
『だって、ボクも化身出せますし』
「なんだと？」
監督は驚いて目を見開く
『そんな驚くことです？もしかして、雷門イレブンにはまだいないんですか？』
「あぁ」
なるほどね
化身なんて滅多に出せないからなぁ
そんなほいほい出せたら苦労しないよ
試合は変わらず一方的のまま前半終了のホイッスルが鳴った
「すみません、キャプテン……俺、フィールドにいても何一つ役に立てませんでした。でも……このままサッカー部が取られちゃうなんて嫌です！」
「落ち着け。俺だってサッカー部を渡したくない。だけど……アイツら半端じゃない。悔しいけど俺達を凌ぐ力だ」
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作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年12月1日 6時
