少女が抱える深い闇 (ページ8)

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後悔と瞳の中に映る深い闇リリーside ページ8

リリーside

「おかえりなさいハリー」

私がそう言えば、ジェームズの腕の中にいる愛しい息子は元気に頷く。
頭をなでれば嬉しそうに笑う。

私は、この瞬間がなによりも幸せ。

だけど、本当はここにもう一つ愛しい笑顔があるはずだった。

その愛しい笑顔は、私の手で消えた。

私のせいで_______。

「ジェームズ...今日本当にジェニスがくるの？」

ジェームズに聞く。

「横丁を見張ったけど今日まで来てないって。

きっと会えるさ。」

会えるわけがない。

私は思った。
ダンブルドア先生は、ジェニスはロイドという性でホグワーツに来ると言っていた。
あの子を誘拐したのがヴォルデモートの仲間だとしても、ポッターという性では来ないと言っていた。

私の娘は、もう二度と笑いかけてはくれない。

「父さん！あの子だよ！さっき話した子！」

そう考えていると、ハリーの声で気づく。
そちらを見ると…

自分と同じ深みのある赤い髪色。
自分の愛した人と同じハシバミ色の瞳。
その容姿は私に似ていた。
ジェームズ譲りの瞳の色を除いて____。

「...ジェニス...」

偶然じゃない、共通点が多すぎる。

けれど、娘のその瞳に映る世界は、何よりも深い闇だった。

この時私は悟った。

あの子はもう、自分を二度と、許す気などないのだと_______________。