トゲトゲ拾い ページ42
そんな快活な声が聞こえると頭に手を当てて、うるせぇのが来た、と呟くレオナ。そんな様子はいつものこと、と特段気にした様子もなくレオナに授業に出ろとお小言を浴びせる。そしてレオナの横にちょこんと立っているAに気がついた男の子は、特徴的な垂れ目を一瞬見開くと、レオナと見比べてニヤニヤと悪い顔になる。
「あれあれ〜?レオナさん、子供の世話嫌いだったんじゃないスかぁ?」
シシッと笑いながらおちょくるとレオナがぴくりと耳と片眉を動かして、小さくうるせぇと呟くとAの頭をポンポンすると踵を返して植物園の出口へと歩き出した。
「珍しいこともあるもんスね」
そう言いながらレオナの後ろ姿を見やると、Aに目を向けてしゃがみ込むと慣れたように声をかける。
「オレはラギー。キミの名前を教えてもらってもいいっスか?」
「Aだよ!よろしくおねがいします!」
しっかりと名前を言えて礼儀正しい所作で挨拶ができたAに目を細めると、ちゃんと挨拶できて偉いっスね!とわしわし頭を撫でる。するとだいぶ距離の空いてしまったレオナを追いかけるべく、別れの挨拶もそこそこに走り去ってしまった。
二人がいなくなると抱き合っていたグリムとユウにすかさずAは安否を確かめられた。無事な様子に安堵した彼らは再びAの手を引いて、カゴとトングを探しに歩き出した。
少し遠くからエースとデュースが道具が見つかったと告げると一行は植物園で合流すると、森へと戻り栗拾いに勤しんだ。
「わ〜!!トゲトゲいっぱいね!」
「おい、A。あぶねーから素手で触るなよ〜」
素手で栗を拾いそうになったAを見て、隣にしゃがみ込んだエースは自分が持ってるトングを渡す。受け取ったAはトングで栗を慎重に拾うとエースが差し出したカゴに栗をポトリといれる。
「ん。よくできたな!この調子でどんどん拾おうな。」
エースはポンポンと頭を撫でられるとAはふわりと笑って、うん!と元気よく返事をすると、周りに転がっている栗をトングで拾ってはエースの持っているカゴにいれていったのであった。そんな微笑ましい様子を見て監督生から笑みが溢れた。
四人と一匹は満足そうにカゴいっぱい拾った栗を持って、トレイが待っている大食堂の厨房へと足を向けた。
一行は厨房へ着くと、空いた料理台の上に栗がどっさり入ったカゴを下ろす。皆が思い思いにやや疲労した体を伸ばしたり揉んだりする。
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ?!ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ?!?!幼女ちゃん可愛い!めっちゃ可愛いっっ!読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね( ; ; )嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます!主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…!!!ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…!!夢主ちゃん可愛いし…!!更新頑張ってください!! (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:礼 | 作成日時:2020年4月26日 7時