子分認定 ページ40
それからシルバーが食器を手に取り席を立ち、リリアはふらりとどこかへ消えた。一方で残されたセベクとAは、残りの午後の授業へと向かったのだった。もちろん離れないように手を繋いで。
満腹で眠い中、なんとか午後の授業を終えると監督生とグリムがわざわざ迎えに来てくれた。Aはグリムに抱きつくと振り返って、元気にセベクに手を振った。
「セベク！またあとでね！」
「A様！お気をつけてください！！」
セベクの心配げな声にAはにっこり笑うとさらに大きく手を振った。監督生としっかり手を繋ぐと、Aの腕から解放されたグリムは廊下の床にサッと着地する。
「ぐぇえ〜〜…締められて死ぬかと思ったんだゾ…」
「大丈夫？グリム」
Aの抱き方が少し強すぎたらしく、涙目でひいひいと声を上げるグリムを見て苦笑いを浮かべるユウ。
「グリム、いたいいたい？…Aのせい？」
暗い顔をして顔を俯けるAを見た一人と一匹はビクッと体を震わせた。何故なら以前のリリアの絶対零度の視線を思い出したからである。
「ち、ちちち、違うんだゾ！いいか？！泣くんじゃないゾ！」
「だ、大丈夫だよ！Aちゃんのせいじゃないよ！」
明らかに焦った様子でAを慰めようとすると、不安そうにグリムとユウの顔をそれぞれ見るA。
「ほんとう？」
首がもげるんじゃないかというくらいに縦に振ると、Aは少し元気が無いながらも、ゆっくりと頷く。いつもよりも元気が無さそうなAを見て不思議に思ったユウとグリムはコソコソと話しだす。
「なんだかいつもより静かなんだゾ…」
「どうしたんだろうね、聞くのも悪いし…」
「オレ様に良い考えがあるんだゾ！」
尻尾をピンと立たせると、オイ、A！と声をかける。グリムに声をかけられたAは下がっていた視線をゆるゆるとグリムへと向ける。
「オレ様の子分にしてやる！喜べ！」
「こぶん…？」
えっへんと自らの胸を可愛らしい肉球で叩く。得意げなグリムの言葉の意味が分からず首を傾げる。
「こぶんになったら、グリムとなかよくなれる？」
「そうなんだゾ！オレ様の言うことをよく聞くんだゾ！」
グリムと仲良くなれると分かったAは、花の咲いたような笑顔を浮かべてグリムの肉球をきゅっと握った。
「A、グリムのこぶんになる！」
かなり意味の捉え方が違う気がするが、当人達が楽しそうなのでユウは放っておくことにした。
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
