小悪魔☆ハニーvol.23《T.MASUDA》

story1079 ページ22

．







それに気がついたのは
ｵﾚがAの手を振り払った時。









…それ以降



一切目を合わさなかった




.









何度も目を合わせるﾀｲﾐﾝｸﾞなんかあったのに…
Aの視線はいつもｵﾚの肩のあたり。





．









…おかしいなって思った。









．









その後小山はｼｹﾞに殴られて…
そこからずっと。





.







…Aの手が震えてる。






．









見た目じゃない。






Aの心は充分傷ついていた









．









増田「…ごめんな」

A「…ぅー…」









．









増田「守れなくて…ごめん」

A「……。」









．









ぎゅっと抱きしめると
Aも、ぎゅっと抱きついた。









.








早く家に帰りたかったけど…
Aの気持ちを受け止める方が先だと思った









…ｵﾚのせい。







…またｵﾚのせいで泣かせてる









.









Aは何にも悪くないのに…

いつも泣くのはA…。









.









小山にどこまでされたのか
すごく知りたかったけど





それを聞けばまた思い出してしまうと思って
聞かなかった









…早く忘れさせてやりたかった。




.









…なかなか泣き止まなくて。
ずーっと抱きしめたまま背中をさすっていると





．








そのうちに少しずつ落ち着いて…
Aは俯いたまま、ｵﾚから少し体を離した









.









A「ずっと…黙ってて…」

増田「…うん。」









.






A「けーちゃんの家にいて…」

増田「…うん。」









.








A「…言えなくて…辛くて…」

増田「…うん。」









.









A「でも…私のせい…貴久と…けーちゃん…」

増田「…違うよ」









.







A「でも…私がけーちゃんの…」

増田「それは違うよ、A。」









.









…お前のせいじゃない。









増田「…ｵﾚのせいで。
辛い思いさせて…ごめんな」




.









…もう1度。
Aを抱きしめようとすると









泣き顔のAは
ｵﾚのﾊﾟ-ｶ-の胸元をｷﾞｭｯ…っと掴んだ。





．









そのまま引き寄せられ…








A「助けに来てくれて…ｱﾘｶﾞﾄ...」









消え入りそうな小さな声。




それに応えるように…



唇を重ねた。

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