小悪魔☆ハニーvol.21《T.MASUDA》

story996 ページ39

店員さん「…実際の赤ちゃんの手は
もっと小さいんですよ。」







.






…店員さんはAに話しかける。









.






店員さん「…赤ちゃんはとても弱いから…。
引っ掻き傷でｱﾄﾋﾟ-にもなりやすいんです」

A「へぇ…」









．





店員さん「ﾍﾞﾋﾞ-服はあっても。ﾐﾄﾝを忘れる方は結構見えるので…ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄにもいいかと思いますよ」

A「…じゃぁこれにします」









．









Aは淡いｸﾞﾘ-ﾝのﾐﾄﾝと
淡いｵﾚﾝｼﾞのﾐﾄﾝを２つ選んだ。









.









A「お金払ってくるね」








．





Aはそう言ってﾚｼﾞへと向かう。









ｵﾚの手のひらには小さなﾐﾄﾝ。
……ちっせぇw









.









こんなちっせぇ手 して生まれてくるんだ。






…手。だけじゃない。








顔も手も足も…
赤ちゃんは何もかもがちっせぇ。









…急に。
この店から逃げたくなった。









…気持ちが揺らぎそう。









．









ｵﾚが思ってるってことは。
Aだって一緒だろう。









…ｵﾚは耐えきれなくなって店の外に出て…
Aが出てくるのを待った。









．







「お待たせ。」って明るく店から出てきたAだったけど…
「ちょっとｺﾚ持ってて」って。









紙袋をｵﾚに押し付けて
「ﾄｲﾚ♪」って足早に去っていこうとした。









…嘘。




．









ｵﾚに嘘をつこうとしたって
絶対無理だって…。




.









増田「…待て。」

A「ゃ…。離して…」








増田「…いいから来い。」

A「ゃ…」









…。









逃げようとするAの手を掴み
何も言わずに引っ張って歩いた。

すぐに諦めて。
Aはｵﾚに手を繋がれて歩く









…指をしっかり絡めて。
ｵﾚはAを連れて駐車場まで歩いた。




．









…荷物を車に乗せ。
Aを後部座席に押し込んで…

自分も後部座席に乗り込んだ。





.









「…泣くならｺｺで泣け。」




．









Aを抱きしめ…
「誰も見てないから…。泣いていい」って
頭を撫でた。









「ぅーぇー…ん…」








Aの気持ちがわからなかった。
…気がついてやれなかった。






.








早く…連れ出してやればよかった。









…ごめん、A…。

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